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ロシアのウクライナ侵攻・インフレ・景気・米国金利・株!2022年重大ニュース(その3)

Dec 13, 2022.三浦彰Tokyo,JP
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画像:日本漢字能力検定協会主催 2022年「今年の漢字」の公式Twitterより

公益財団日本漢字能力検定協会が毎年主催する「今年の漢字」に12月12日選ばれたのは「戦」だった。なんと米国同時多発テロがあった2001年にも「戦」が選ばれていて21年ぶりの再登場である。この「今年の漢字」は1995年から始まっているが、二度登場した漢字は、この「戦」と「金」(2000年と2021年)である。この27年間は「戦」と「金」だったということにもなるが全くもって殺伐としている。

今回の「戦」は2月24日のロシアのウクライナ侵攻と北朝鮮のミサイル乱射からくるイメージらしいが、特に前者は東西冷戦を再現したことで世界経済に強烈なインパクトを与え、長期化が避けられない情勢だ。政治的、民族的背景も根深いものがあるが、それはともかく原油、小麦などの大供給源との貿易が途絶えたことによる強烈なインフレが全世界を襲っている。米国では、ロシアのウクライナ侵攻前の1月の米国消費者物価指数(CPI)は前年同月比で7.5%上昇し、すでに1982年以来40年ぶりの高い伸び率だった。これはコロナパンデミック収束による経済活動活発化によるものだったが、これにロシアのウクライナ侵攻によるインフレ・インパクトが加わり、まさに未曾有の大インフレ状態になっている。これを重く見たFRB(米国準備制度理事会)は利上げ(政策金利上げ)のピッチを早めて対応した。このため米国物価は6月をピークに低下基調になっているが、いまだにFRBが目標にする2%の物価上昇率には程遠い。市場関係者の間では現在3.75%の政策金利は2023年6月に5%でピークを迎えるのではないかという見方が強まっている。というのも最近のアマゾン(1万人リストラ)、メタ(旧フェイスブック1万1000人リストラ)、ツイッター(3000人リストラ)などの大手IT企業の大規模なリストラが発表・実行されて、米国の景気の後退が鮮明になっているからだ。過度の政策金利の上昇は、景気を冷え込ませるという判断をFRBがするだろうというのが市場関係者の「読み」である。インフレ沈静化させるべきか景気後退を食い止めるべきなのか、FRBは政策金利をどうするのか難しい判断を迫られている。

株価もこうした金利状況を反映して、ニューヨークダウ平均株価で3万3000ドル〜3万5000ドル。これに追随している日経平均株価で2万5000〜3万5000ドルの膠着したボックス相場がしばらくは続いていきそうだ。

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