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Japan|デザイナー退職勧告場と化したエイ・ネットよ大丈夫か!?

Apr 8, 2019.久米川一郎Tokyo, JP
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エイ・ネット公式HPより

エイ・ネットはデザイン契約していた津森千里(1954〜)との契約が満了になる2019年秋冬をもって「ツモリチサト(TSUMORI CHISATO)」ブランドの生産販売を終了する。

従来エイ・ネットを支えて来た2大ブランドといえば、この「ツモリチサト」と「ズッカ(ZUCCa)」である。社内でも、「ツモリ」派と「ズッカ」派に分かれ、良い意味での勢力争いが繰り広げられていたという。津森千里も独立する前はエイ・ネットの大看板デザイナーだった。「ズッカ」のデザイナーである小野塚秋良(1950〜)が2011年春夏コレクションを最後に2010年に同社を去り、ツモリ派の時代が来たと思いきや、今回津森千里(1954〜)が同社での契約を満期終了し、「ツモリチサト」ブランドは同社からなくなるのだから、一体エイ・ネットはどうなってしまうのだろう。

そういえば、同社で「スナオクワハラ(SUNAOKUWAHARA)」ブランドを展開していた桑原直(1960.2.6〜)も2015年春夏シーズンをもって自身のブランド活動を休止し、エイ・ネットを退社していた。その後2016年春夏から新生「スナオクワハラ」のブランドを始めている。

さらに思い起こせば、「ファイナルホーム(FINAL HOME)」を同社で展開していた津村耕祐(1959〜)も、2015年にエイ・ネットを退社して独立している。

こうして書いてくると、まさにデザイナーの退職勧告場みたいなものだが、しばらく前は、専門学校生が就職したいファッション企業の第1位の座に何年も連続で輝いた企業だったのだから、なんとも言葉がない。

同社が抜きさしならぬ状況であるのはよく分かるけれども、今後はいったいどうなっていくのだろう。前記の「ズッカ」及び「カバンドズッカ(CABANE de ZUCCa)」、宇津木えりによる「メルシーボークー、(mercibeaucoup,)」と高島一精による「ネネット(Né-net 」と「にゃー」、島瀬敬章による「タクタク(tac:tac)」、そして「プランテーション(Plantation)」というラインナップになるのだろうが、なんとも厳しい。健闘を祈りたいものである。

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