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フェスタリアHDがこの1カ月で20%以上株価が上昇した理由とは?

Apr 22, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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フェスタリア ビジュソフィア日本橋三越本店

2月末本決算企業、2月末中間決算企業の発表が先週をピークに行われた。昨年2月末決算はほとんどコロナ禍の影響を受けなかったが、今回の2月決算はまさにコロナ禍ど真ん中であり、厳しい決算がほとんどである。一応タイプとしては、
Sランク:増収増益
Aランク:減収増益
Bランク:減収減益
Cランク:減収赤字
ということになるだろう。減収はやむを得ないにしても、このコロナ禍で黒字を残せるとしたら、そこには並大抵でない経営者の努力があるはずだ。

ジュエリーの小売・製造のフェスタリアホールディングスの2月中間決算が4月13日に発表になったが、売上高は47億6100万円で前年比6.9%減だったが、営業利益2億6700万円(前年は1億6100万円の赤字)、経常利益2億5100万円(前年は1億7200万円の赤字)、親会社株主に帰属する四半期純利益1億8400万円(前年は1億4900万円の赤字)と、前年の赤字決算からこのコロナ禍に黒字転換するという離れワザを見せた。

1920年に長崎県大村市で創業した同社は、昨年創業100周年の記念の年だったが、貞松隆弥社長(1961年12月22日生まれ59歳。社長就任は2000年11月)が打ち出した経営方針は「売上主義から利益主義」でスローガンは「変わる→変える」だった。収益構造改革による安定利益の創出とポストコロナ時代を見据えたデジタル戦略投資の準備を進めた。主な取り組みは、店舗・本社の合理化、商品力強化、生産体制直し、業務標準化にする業務効率向上、販促効率の向上、CRM強化、ローコストオペレーション徹底などだ。特にリアルとデジタルの融合を基軸にして、Eコマース売り上げが前年比137.1%増加した。3年以内に売り上げの10%を目指している。

大英断だったのは、2017年3月14日に銀座8丁目にオープンしたフェスタリア ビジュソフィア ギンザ(銀座本店)を12月25日に閉店したことだ。ジュエリー企業にとって、銀座に路面店を持つのは究極の大目標だが、不採算店舗だったのだろうが、断腸の思いで閉店した。また昨年11月30日に公表された「資本性劣後ローン」によるみずほ銀行、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫の3行から8億円の資金調達など矢継早に施策を打った結果が今回の黒字化につながったようだ。まだ経営改革は道半ばだが、すでに期初予想の利益を中間期で達成している。心強いのは中間期における販売単価が前年比23.3%増加している点だ。価格ラインの引き上げが奏功したためだ。当然のことながら、今年3月最終週あたりから株価が20%以上上昇している。このままでいくと8月期末本決算でかなりの数字を見込めるというのが投資家の読みだ。また同社の場合、台湾子会社での小売事業、ベトナム子会社による生産などアジアでの展開も先駆的であり、新展開など今後が期待されている。

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