BUSINESS NEWS
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail

ポーラ・オルビスHDの2021年12月期決算は「ポーラ」が好調も減収が続く「オルビス」はテコ入れ予定

Feb 17, 2022.セブツー編集部Tokyo, JP
VIEW55
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail

ポーラ・オルビスホールディングス(HD)は2月14日、2021年12月期通期連結決算を発表した。売上高は1786億4200万円(前期比1.3%増)、営業利益は168億8800万円(同22.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は117億3400万円(同153.3%増)の増収増益だった。前期比では回復基調に転じたと言えるが、依然としてコロナ前の水準を回復するには至っていない。

ブランド別では、基幹ブランドである「ポーラ(POLA)」は、売上高は1051億6800万円(前期比2.2%増)、営業利益は163億7400万円(同49.8%増)となった。委託販売では苦戦したが、国内ECの売上が前期比49.8%増とブランドを大きく牽引し、加えて中国本土では売上高が同38%増加するなど海外売上高が伸長したことで増収増益となった。

もう1つの基幹ブランド「オルビス(ORBIS)」は、シワ改善や美白など高機能のスキンケアが伸長したが、売上高は433億8900万円(同4.5%減)と2016年から続く減収、営業利益59億2500万円(同19.1%減)と2017年から続く減益となった。「オルビス」は高収益事業への再成長を目指すため、35周年を迎える今年度は、テコ入れ策として下半期に大型新商品を計画している。

育成ブランドは、「スリー(THREE)」がポイントメイクカテゴリーの苦戦が継続し売上高は前期比4.2%の減収、営業利益は13億2500万円の赤字(前期は9億7100万円)となり、「ディセンシア(DECENCIA)」及び「フジミ(FUJIMI)」が売上に貢献するも、全体では営業利益が29億100万円の赤字(前期は20億7600万円)となった。

海外ブランドは、オーストラリアのオーガニックコスメ「ジュリーク(Jurlique)」は、集客に苦戦するも中国本土でECが伸長し、売上高は78億3800万円(前期比21.6%増)で、営業損失は15億3600万円の赤字(前期は24億8900万円の赤字)となった。アメリカの海洋由来成分のスキンケア「H2O PLUS」は、売上高は11億1600万円(同54.6%増)と大幅増収となったが、早期黒字化のためのコスト構造良化に向けた一時費用が発生し営業損失は8億200万円の赤字(前期は7億2800万円)となった。

また、ポーラ・オルビスHDは同日、2029年に向けた長期経営計画を発表。化粧品のみならず、ウェルビーイングや社会領域へも事業を拡張し、「多様化する『美』の価値観に応える個性的な事業の集合体」を目標に掲げた。基本戦略として、化粧品事業のグローバル展開とブランドポートフォリオの改革と拡充、新価値の創出と事業領域の拡大、研究・技術戦略の強化の3つを挙げる。新規事業は具体的に、既にアプリが配信されている疲労ケアのウェルネステックプロジェクト「ミーフルネス(me-fullness)」や、人工皮膚(ミラースキン)、DIYコスメ、美容医療などを検討している。人工皮膚は2029年に化粧品としてのローンチを計画し、ローンチの前段階で得られた知見の活用も考えている。2029年には売上高3000億円、営業利益500億円、営業利益率15%以上、海外売上高比率30〜35%を目標とする。

2022年12月期は、売上高は1860億円、営業利益は177億円、親会社に帰属する当期純利益は119億円を見込む。

READ MORE