・売上高:82億5900万円(前年比+11.7%)
・営業利益:13億2700万円(同+28.7%)
・経常利益:14億2600万円(前年比+25.8%)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:9億6500万円(前年比24.0%)
という好内容で通期決算に関しても上方修正を行い、さらに増配(期末で35円→38円)を発表している。通期では史上最高決算になる見通しだ。工業用製品事業中で口紅の原料であるラノリン・コレステロールの販売が中国・米国の景気回復に伴い大幅に増加した。同様に化粧品機能原料も伸長した。7月中の株価も、こうした第1四半期の好調を予想した動きになっていたようだ。同社の年初来安値は5月27日の1336円だが、すでに8月に入り2000円台に突入しており、化粧品関連の優良株として3000円台は射程に入っている。
株価上昇率第3位(+11.4%)はグラフィコ(2020年9月24日ジャスタック上場)だ。酸素系漂白剤「オキシクリーン」が年商(2021年6月期40億9600万円)の半分以上を占めるが、ヘルスケアやビューティーケア商品も全体の40%ほど手がけている。昨年9月24日のジャスダックの上場初日には初値9560円、高値1万500円、終値8790円だった。公募価格は4090円だったから、この上場初日の1万500円が高値のまま株価は低迷している。上場後初の決算となった2021年6月決算は、
・売上高:40億9600万円(前年比+17.1%)
・営業利益:3億1700万円(同+35.2%)
・経常利益:2億7400万円(同+23.6%)
・当期純利益:1億8200万円(同+22.8%)
まずまずの数字になっているが、長谷川純代社長のリーダーシップのもと「女性目線の商品開発」をモットーにしているがどうもイメージ先行で地に足のついたヒット商品はない印象だ。まだ無配ということもあり、株式市場の眼は厳しい。今回7月30日の株価が6月30日に比べて11.4%増といっても、低迷した株価がちょっと戻している程度のことである。公募価格が高すぎて、上場初日に一般投資家をあおりすぎている弊害がこのグラフィコにも見られる。猛省して欲しい。