・売上高:66億8400万ドル(約8689億円、前年比+16.3%、1ドル=130円換算)
・営業利益:11億7500万ドル(約1527億円、同+21.5%)
・経常利益:10億円4700万ドル(約1361億円、同+16.7%)
・当期純利益:8億5600万ドル(約1112億円、同+2.6%)
まあ問題ないリカバリーを果たして、すでに2019年6月決算を大きく上回る水準になっている。ちなみにエリア別売り上げで、日本は米国、中国に次いで世界第3位で12.2%(2020年6月期)のシェアになっている。日本では1000億円近い売り上げということになって「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」「グッチ(GUCCI)」「エルメス(HERMES))」「シャネル(CHANEL)」に並ぶビッグブランドになっているというポジショニングは従来とあまり変わってはいないようだ。ちなみにタペストリー社のブランド別売上高は、「コーチ(COACH)」が71.2%、「ケイト・スペード ニューヨーク(kate spade new york」が23.2%、「スチュアート・ワイツマン(Stuart Weitzman)」が5.8%だ。
本国側の業績に問題がないとなると、今回のコーチ表参道店の閉店は、高額家賃を支払っても黒字化ができなかったこと、そして10年契約更新にあたっての家賃の高騰(オーナーは大林不動産)に対してタペストリージャパン(旧コーチ・ジャパン)側が「ノー」を選択したということだろう。
2021年2月28日に「エルメス」表参道がオープンして、この地区に店舗をもたないビッグ・ラグジュアリーブランドがなくなったことで「表参道」の価値はさらにアップして、当然のことながら家賃も高騰。とくに表参道沿いで交差点近くなら月坪家賃20万円時代を迎えているとまで言われている。しかし、その内実は数少ない例外を除けば、黒字の店舗はごく稀れというのが実情のようだ。さらに言えばこの表参道に店を構えることができるのが真のラグジュアリーブランドだということになる。まあ「コーチ」は中国生産がメインだからラグジュアリーブランドのカテゴリーに入らないけれども。
ちょっと気になるのは、「コーチ表参道」閉店のお知らせの貼り紙だ。「今後は近隣ストアをご利用くださいますようよろしくお願い申しあげます」として、「コーチ銀座」の電話番号が記されているが、一番近い渋谷店を紹介しないのはなにか理由があるのだろうか。