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ABGが日本市場戦略を発表 50以上のブランドを傘下に、小売売上高は約6兆円「日本は世界のトレンドセッター」

NEWSep 3, 2026.高村 学Tokyo, JP
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オーセンティック・ブランズ・グループ(Authentic Brands Group、以下ABG)は9月1日、「オーセンティック 日本市場戦略発表会」を開催し、アジアパシフィックのプレジデントを務めるウェスリー・チュー(Wesley Chu)氏が登壇した。50以上のブランドを傘下に持つABGは、日本市場を「戦略的市場」と位置づけ、ライセンスパートナーとの連携を軸に、ブランドの再成長と事業拡大を進めている。

ABGは2010年に創業。「ブルックスブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」を始め、「ハンター(HUNTER)」や「リーボック(Reebok)」「エディー・バウアー(Eddie Bauer)」「バーニーズ・ニューヨーク」など、50以上のブランドを傘下に収める。これまで積極的にブランドを取得してきており、2026年に「リー(Lee)」の取得が完了すれば、傘下ブランドの小売売上高は380億ドル(約5兆9660億円*)に達する見込みだ。

ABGの特徴は、ブランドを買収してそのまま運営するのではなく、ブランドが持つ歴史や認知度、独自性といった本質的価値を維持しながら、事業モデルを再構築していく点にある。ブランドごとに最適なパートナーを世界各地で見つけ、ライセンス契約を通じて商品カテゴリーや販路を広げることで、ブランドの成長を促している。

現在、ABGが展開する国・地域は150を超える。自社ですべての事業を抱えるのではなく、各地域に精通した企業とパートナーシップを構築することで、グローバルブランドでありながらローカル市場に合わせた商品開発やマーケティングを可能にしている。

SNSを活用したマーケティングもABGの強みの一つだ。現在560のアカウントを運用し、提携するインフルエンサーは3万人を超える。ブランドごとの歴史やストーリーを生かしながら、地域ごとの消費者に向けて発信することで、ブランドの再活性化を図っている。

その代表例が、2022年に買収した「リーボック」だ。ABGによる買収時の小売売上高は36億ドル(約5652億円)だったが、2028年には102億ドル(約1兆6014億円)まで拡大する見込みだ。ライセンシーの数も100社を超えており、スポーツブランドとしての「リーボック」の価値を維持しながら、さまざまな地域やカテゴリーへ事業を広げている。

ABGが重視するのは、こうしたライセンスパートナーとの関係だ。ブランドを所有するABGと、各地域で実際に商品を展開する企業が役割を分担することで、ABGはブランドの価値や方向性をコントロールしながら、各市場の知見を取り込むことができる。ブランドの取得後に、どの市場で、どのカテゴリーを、どのパートナーと展開するかが成長戦略の重要なポイントとなる。

日本市場では、すでに27ブランドを展開しており、小売売上高は約8億ドル(約1256億円)に達する。世界的に見ても大きな市場である日本を、ABGは単なる販売先としてではなく、トレンドを生み出す重要な市場として捉えている。

ウェスリー・チュー氏は日本市場について、「グローバルに考えてローカルに実行していくのが私たちの方針だ。日本市場は世界のトレンドを設定し、作っている。ファッションであれ、何であれ、世界のトレンドセッターだと認識している」と説明した。

特に日本では、ブランドの歴史や背景、デザイナーやクリエイターの思想など、商品の機能だけではない「ストーリー」が消費者の購買行動に影響を与える。ABGがブランドの本質的な価値を重視し、各地域でストーリーを伝えながらブランドを再構築する戦略とも親和性が高い市場と言える。

ABGは今後も年間2〜3ブランドのペースでブランド取得を進める方針だ。ブランドポートフォリオを拡大するだけでなく、既存ブランドについても新たなライセンスパートナーや商品カテゴリーを開拓し、世界各地での事業規模を拡大していく。

50以上のブランドを保有し、150を超える国・地域で事業を展開するABGにとって、日本はすでに27ブランド、小売売上高約8億ドルを持つ重要市場だ。今後もブランド取得とパートナーシップを組み合わせた成長戦略を進める中で、日本を世界に向けて新たなトレンドを発信する拠点の一つとして位置づけ、長期的な成長を目指す。

*1ドル=157円換算(9月3日時点)

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