
官民ファンドの海外需要開拓支援機構(以下、クールジャパン機構)の経営が重大な局面を迎えている。同機構が6月24日に発表した2026年3月期決算は、売上高が44億4291万円(前期比88.4%減)、当期純損益は156億9652万円の赤字(前期は14億6115万円の黒字)となった。累積損失は540億円まで膨らみ、経済産業省は統廃合も視野に入れた本格的な検討に入る。
クールジャパン機構は、日本のコンテンツやファッション、食、観光などを海外に展開する企業を支援する目的で2013年11月に設立された官民ファンドだ。政府と民間企業15社が共同出資し、初代社長にはイッセイ ミヤケや松屋で経営に携わった太田伸之氏が就任した。しかし、設立から10年以上が経過した現在も十分な投資成果を上げられず、2028年度までに累積損失を解消し、2029年度から本格的な投資回収フェーズへ移行する計画は大きく後退した。現在トップを務める川﨑憲一氏は決算発表にあたり、「最低限達成すべき投資計画における令和7年度の累積損益目標を下回る結果となったことについては、重く受け止めています」とコメントした。
同機構はこれまで83件に投資し、投資総額は2040億円に達している。日本の商品やサービスの海外展開を後押しすることを目的としてきたが、投資先の一部では厳しい状況が続いた。代表例の一つが、バイオ素材開発を手掛けるSpiberだ。クールジャパン機構は2018年に30億円、2021年に110億円を追加出資したものの、同社は2025年度に巨額赤字を計上し、2026年3月には私的整理に入った。また、米国のエムエムラフルアー(M.M. LaFleur Inc)にも2019年に20億円、2020年に3億円を追加出資したが、2024年には保有株式を全て譲渡している。2025年7月の開業で注目を集める沖縄県の大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」を運営する刀には80億円を出資している。
2022年には財務省理財局が、累積赤字の改善が見られない場合は統廃合も含めて検討する方針を示していた。今回の決算で累積損失が540億円まで拡大したことで、設立以来続いてきたクールジャパン政策のあり方そのものが改めて問われる局面となりそうだ。






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