
広告業界に激震が走る事態が明らかになった。日本経済新聞社は9月15日、朝刊に折り込んで配布する広告冊子「THE NIKKEI MAGAZINE」の広告主2社に対し、発行部数を実際より多く提示し、広告料金を過大請求していたと発表した。日本経済新聞社は9月16日付の朝刊でも、この問題を自ら報じている。自社が発行する新聞紙面で、前日に公表した広告料金の過大請求問題について経緯を伝えた。
問題となったのは、2022年から2026年にかけて首都圏や関西圏で配布された計29冊。営業担当者らが、本来提示すべき発行部数より1万5000〜25万部多い部数を広告主に伝え、その数字を基に広告料金を請求していたという。2社に対して過大に提示していた部数は、約4年間の累計で約250万部に上る。さらに、広告主に対して古い発行部数や誤った数値を提示していたほか、広告主が指定した地域とは異なる地域に配布していたケースも確認された。
「THE NIKKEI MAGAZINE」は、日本経済新聞の朝刊に折り込んで配布されるマガジン形式の広告冊子。ファッションや時計、旅など幅広いテーマを扱ってきた。2026年3月29日発売号の発行部数は約80万部とされており、広告掲載料金は最も高額な第1見開きで650万円。今回、発行部数の過大提示が確認されたのは、2社を単独の広告スポンサーとする「買い切り号」だった。
発行部数は、広告主が媒体への出稿を判断する際の重要な指標の一つだ。とりわけ、発行部数に応じて広告料金が設定される場合、その数字は広告主が支払う金額にも直接関わる。今回のケースでは、実際の発行部数より多い数字を広告主に提示し、それを基礎として料金を請求していたことから、日経は広告主から実際より多い金額を受領していたことになる。現在、「THE NIKKEI MAGAZINE」の媒体資料は、「掲載内容を確認するため」として、公開を停止している。
日経は今回の問題について、原因や動機だけでなく、組織的な関与があったかどうかを含めて全容を解明するため、外部の弁護士に調査を委任した。焦点となるのは、なぜ発行部数の過大提示が約4年間にわたり、計29冊で行われていたのかという点だ。営業担当者個人による判断だったのか、社内でどのように数値が管理されていたのか、また過大請求によって受領した広告料金が最終的にいくらになるのかなど、今後の調査で明らかにされる内容が注目される。
新聞社が広告媒体の発行部数をめぐって広告料金を過大請求していた今回の問題は、広告主と媒体社の信頼関係そのものに関わる。外部弁護士による調査を通じて、問題が生じた経緯と責任の所在をどこまで明らかにできるかが問われることになりそうだ。






![[[name]]](/assets/img/common/sp.png)