
「VOGUE JAPAN」や「GQ JAPAN」などを発行するコンデナスト・ジャパンは12月19日、マネージング・ディレクターに藤原総一郎氏を任命したと発表した。就任は2026年3月を予定しており、日本におけるコンデナストの全事業を統括する。現社長の北田淳氏は2025年12月末をもって退任し、藤原氏がその後任となる。
今回の人事は、コンデナスト・ジャパンにとって大きな転換点となる。10月末には、「VOGUE JAPAN」のヘッド・オブ・エディトリアル・コンテント(編集長に相当)を務めていたティファニー・ゴドイ氏が退任。さらに、長年広告部門を率いてきた平石敬晴副社長も12月末で退任となり、編集・広告の両輪を支えてきた主要ポジションが相次いで空くことになる。こうした状況の中で、経営体制の立て直しと次の成長戦略が急務となっていた。
藤原総一郎氏は、ラグジュアリーブランド業界で豊富な経験を持つ。直近ではドルチェ&ガッバーナ ジャパンのマネージング・ディレクターを務め、日本市場におけるブランド戦略や事業運営を指揮してきた。過去にはクロエ ジャパンのCEOも歴任しており、ファッションビジネスにおけるブランド戦略や顧客エンゲージメントに精通している。また、米国でのビジネスキャリアも有しており、グローバル視点でのブランド戦略の策定と実行を強みとする。
これまでコンデナスト・ジャパンのトップには、現社長の北田淳氏(広告業界出身)や、前社長の斎藤和弘氏(出版業界出身)が就いてきたが、ラグジュアリー業界出身者が要職に就くのは今回が初めてとなる。
コンデナスト・ジャパンは近年、紙媒体を軸としながらも、デジタルコンテンツ、動画、イベント、コマースなど多角的な事業展開を進めてきた。一方で、グローバルメディアを取り巻く環境は厳しさを増しており、日本法人においても、編集力とビジネスの両立、ブランド価値の再定義が課題となっている。
藤原氏の就任により、編集と広告、そしてブランドビジネスを横断した新たな経営体制が構築される見通しだ。ファッション・ラグジュアリー業界で培った知見を生かし、コンデナストが持つグローバルブランドの価値を、日本市場でどのように再成長へ導くのか。その手腕に注目が集まっている。







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