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カイカイキキがオーバーラップHD株を5.02%取得 下方修正のIP企業に目をつけた村上隆の「前衛的な株の買い方」【いづも巳之助の一株コラム】

NEWSep 9, 2026.いづも巳之助Tokyo, JP
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アート界では、大重鎮の村上隆氏。15年ほど前、村上氏が代表を務めるカイカイキキは、まんだらけの株を大量に買った。今も大株主に名を連ねている。今回、カイカイキキがオーバーラップホールディングス株を5.02%も保有した。オーバーラップは、マンガ、ライトノベル、アニメなどを手掛けるIP企業。しかも、小学館やポケモンが大株主にいる。

7月には業績予想を下方修正。売上高は92億900万円から83億円、営業利益は34億2100万円から23億7300万円へ引き下げられ、一転して減収減益予想となった。そんな苦しい最中に、なぜ5%超まで保有したのか。株界でも「前衛アーティスト」のような村上隆氏の買い方に、巳之助は興味がわいてきた。

関東財務局へ提出された大量保有報告書で、カイカイキキの保有目的は「純投資」とされている。つまり、オーバーラップとの提携や経営参加が発表されたわけではない。まんだらけでも一時6%超まで買い増し、その後保有比率を落としたが、今も大株主に残る。なぜ村上氏側は、今回もまたコンテンツ企業の大株主になったのだろう。

ちょうど1年前、巳之助は上場前のオーバーラップを書いた。当時はファンドの売却やロックアップ後の売り圧力など、「IPO銘柄」として見ていた。結論は素通り。結果だけ見れば、公募価格1,650円に対して現在は850円前後。素通りは正解だった。しかし、「オーバーラップはいったい何を作る会社なのか」までは分かっていなかった。

仕組みを調べ直すと面白い。小説投稿サイトやSNSから、すでに読者の支持を集めている作品を発掘する。編集者が磨いてライトノベル化し、売れればマンガ、アニメ、海外へ広げる。売れた作品を次へ進ませ、編集もチーム化することで未経験者を早期戦力化する。オーバーラップが作っているのは本ではない。「ヒットIPを見つけ、磨き、勝ち残った作品を大きくしていく仕組み」だった。

ところが今年、編集者や新規IPを増やしても、3Q累計は売上ほぼ横ばい、営業利益19.0%減。アニメ化による書籍販売も想定以下。新シリーズはヒットまで時間がかかり、高収益の電子書籍や海外ライセンスも伸び悩んだ。IPを増やすことと、ヒットIPを増やすことは同じではなかったのだ。

村上氏側が見たのは、IPを育てる仕組みか、既存IPか。それとも1,650円から850円前後まで下がった株価なのか。会社予想EPS78.21円ならPERは約11倍。年間配当44円なら利回りは約5%になる。これが単なる割安株投資なのか。それとも、世界でアートをビジネスにしてきた村上隆氏だから見えるIPの価値があるのか。

答えはまだ分からない。ただ、1年前に素通りしたオーバーラップを、巳之助ももう一度見てみたくなった。現在850円前後。巳之助なら700円台は検討、800円台は監視。次の決算で電子書籍と自社IPの回復を確認してからでも遅くない。村上隆氏が買ったから買うのではない。村上隆氏が何を見つけたのか。それを次の決算で確かめたい。

プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。

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