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創業者NIGO、出資者ファレル、アドバイザーKAWSの布陣で新規上場のHUMAN MADE アートが経済を動かす幕開け【いづも巳之助の一株コラム】 

NEWOct 25, 2025.いづも巳之助Tokyo, JP
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ストリート発のカルチャーブランド「ヒューマンメイド(HUMAN MADE)」を運営するHUMAN MADEが、2025年11月27日に東証グロース市場へ上場する。創業者NIGO、出資者ファレル・ウィリアムス、アドバイザーKAWS。大物が揃った!彼らがつくったのは「服を売る会社」ではない。経済の中に感性を流す仕組みそのものだ。

◾️感性を経済に乗せ、経済を感性に従わせる
NIGOは「BAPE」で、自分の感性を経済に乗せる術を覚えた。そして、HUMAN MADEで逆に経済を感性に従わせる構造を描いた。つまり、恒常的に利益を産むビジネスモデルからバックキャストさせて、「アートが生まれる瞬間」と「アートを社会に流通させるタイミング」をデザインしたのだ。

そして、松沼礼CEOのもとで導入されたのは、「広告を打たずに販売サイクルを固定する手法」だった。毎週木曜に情報を出し、土曜に商品を届ける。その「リズム」が顧客の期待を醸成し、売上ではなく共鳴を生むマーケティングに変わった。

◾️文化を制度に、資本を文化に
今回の上場で調達する資金は約160億円。その使い道は量産ではなく、「文化を育てる場」を世界に広げるための資本である。アートを持続可能にする「経済の再設計」が目的だ。すでにHUMAN MADEはライフスタイルや飲食分野にも進出している。

東京発のカレーショップ「CURRY UP」、空間演出やコラボプロデュースなど、衣食住を横断した「HUMAN MADEエコノミー」を動かしている。この構造の先にあるのは、服を中心とした「ものづくり」ではなく、文化全体の「時間をつくる」仕組みだ。

◾️ファレルとNIGO、アートが動かした瞬間
2024年1月、パリで行われた「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のメンズコレクション。ファレル・ウィリアムスが「ヒューマンメイド」のハートロゴTシャツを着て登場した。そのわずか4日前、彼は同ブランドのアドバイザー就任を発表したばかり。

ファレルが「ルイ・ヴィトン」のショーで「ヒューマンメイド」のTシャツを着たあの日、ストリートカルチャーは「路上」から「ランウェイ」へと跳ね上がった。それは友情の演出ではなく、ラグジュアリーの頂点がストリートを正式に認めた瞬間だ。この連帯が、アートが経済を動かすという構造転換の幕開けだったんだ。

◾️文化を永続させる経営
NIGOは創業者として思想を守り、松沼CEOは経営でそれを支える。この「思想と経営の分離」は、LVMHが確立した構造を日本流に翻訳したものだ。世界の高級ブランドが創業家依存を脱して成長したように、HUMAN MADEも「感性の継続性」を制度で担保しようとしている。

ブランドの上場は、資金調達というよりも「文化を残すための制度設計」だ。利益を積み上げて終わる会社ではなく、思想を継承して進化する組織。アートを次の世代につなぐために、あえて上場という制度を選んだんだな。そこにHUMAN MADEの真の意図がある。

◾️巳之助の初値レンジ予想
想定公募価格は2,920円。吸収金額は約190億円(グロース市場では異例の大型IPO)。営業利益率28%、海外売上比率63%という数字を考えれば、初値は3,600〜4,200円(+23〜+44%)と読む。

短期的な需給の熱よりも注目すべきは、文化そのものが「上場」という制度を使いこなそうとしている点だ。つまりこの上場は、資本を集める行為ではなく、文化を社会に埋め込む「アートの実装」に近い。いわば、まるでアート作品を手に入れるような気持ちで株を買う人が多いはずだ。そう簡単には、買わせてくれないだろう。

巳之助は「資本の論理」と「文化の魂」で少し迷うけど。

プロフィール:いづも巳之助
プライム上場企業元役員として、マーケ、デジタル事業、株式担当などを歴任。現在は、中小企業の営業部門取締役。15年前からムリをしない、のんびりとした分散投資を手がけ、保有株式30銘柄で、評価額約1億円。主に生活関連の流通株を得意とする。たまに神社仏閣への祈祷、占い、風水など神頼み!の方法で、保有株高騰を願うフツー感覚の個人投資家。

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