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Japan|代官山の「KASHIYAMA DAIKANYAMA」をめぐる3つの疑問

Apr 11, 2019.久米川一郎Tokyo, JP
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写真:太田 拓実

すでに紹介しているが、オンワードホールディングスは、4月2日に新業態「KASHIYAMA DAIKANYAMA(カシヤマ ダイカンヤマ)」を渋谷区代官山にオープンした。「ファッション、食、デザイン、アートが複合して生活者の五感を刺激する」と銘打たれている。その成果は今後に期待したいところだが、いくつか気になる点がないわけではない。

1.この「KASHIYAMA DAIKANYAMA」という名称だが、なぜ同社としてはあまり使用しない「樫山」という言葉を使っているのか。同社の創業者は故樫山純三氏だが、樫山一族との関わりを同社はあまり表に出さない傾向にあった。樫山からオンワード樫山に社名変更の際も、創業ファミリーとの決別の意味も含めて、「オンワード」にしてはどうかの意見もあったと聞く。それほど「樫山」という言葉を避けて来たのに、新時代のシンボルとして建てたこの建築物に何故「KASHIYAMA」を使用したのか。単にKASHIYAMAとDAIKANYAMAの韻を踏んだだけではないように思うのだが。真意はいずこに?

2.オンワードホールディングスは創業90周年に完成した日本橋の本社ビルがそうであるように、不動産ビジネスへの注力を進め、自社物件の有効活用を推進している。この代官山の土地は銀座に保有していた土地を大儲けして売却した金で買った土地だ。今回のように新時代を見据えた施設ではなく、高層化してマンション経営を行うというような案はなかったのか。仮に年間家賃収入が6億円(1戸当たり月間100万円の家賃で50戸建てだとしたら6億円)あるならば、2018年2月期の同社の経常利益は59億円であることを考えれば、それは決して小さくはない。そうした堅実な不動産収入を捨てて、新時代を考えた一種の先行投資をしたとするならば、その意気込みやよし、である。しかしオンワードホールディングスらしからぬ決定だとは思う。

3.この館の設計は、インテリアデザインも行ったデザインオフィスnendo代表の佐藤オオキ氏によるものである。しかしこの建物、青木淳氏による表参道の「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」表参道店にあまりにも似ていないか。「ルイ・ヴィトン」表参道店は、トランクをいくつか積み重ねた建物というのがコンセプトだったが、今回の「KASHIYAMA DAIKANYAMA」も「ハコを重ね合わせながら集合させた小さな丘」のような建物をデザインしたと、佐藤オオキ氏も語っている。「ルイ・ヴィトン」の仕事をしている佐藤氏が表参道店のことを知らないわけはないと思うが、問題はないのだろうか。あるいはすでに青木氏の了解済みなのであろうか。

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