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ファッションの未来に光が見えた!?5000万円で売れた「アンリアレイジ」のNFT作品

Oct 26, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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「ファッションってこの先どうなるんでしょうね?」。よく聞かれる問いである。サステナブルが「流行」ではなく、世界の絶対目標になっているのであれば、いくら「サステナブル」の仮面を被っても「トレンド変化による大量消費」をベースにした大半のファッション・ビジネスには「NO!」が突きつけられるはずである。大きくパラダイムが変わるということが本当にあるのだろうか。

また50年後、100年後のウェアを想定すれば、あの「スタートレック」などで登場人物が着ているような「裸」のような薄い皮膜が一般的になっているのではないだろうか。そうすれば、そこにファッションが「つけ入る」隙というのはあるのだろうか、と私自身も不安になってくる。

悲観的なことばかり書いたが、最近のファッションに関するニュースを見ていたら、こういう方向性はありそうだなという記事に出会った。

「アンリアレイジ(ANREALAGE)」(デザイナー森永邦彦)は2022年春夏パリコレクションで細田守監督のアニメ映画「竜とそばかすの姫」とコラボレーションしアニメの中に登場する超巨大インターネット空間「U」を舞台にしたコレクション(デジタル映像)を発表した。そのNFT作品11点が、日本初のNFT美術館「NFT鳴門美術館」によって5000万円で落札されたという記事だ。

NFTというのは「Non-Fungible Token」(非代替性トークン)の略で、データ管理にブロックチェーン技術を活用することで改ざんすることができないようにする仕組みのことだ。こうしたNFTアートの市場が2021年になってから急拡大しているという。要するに究極のニセモノ対策と言ってよいものだ。今回、NFT鳴門美術館が購入した11点は「アンリアレイジ×BELLE  LOOK」のNFT作品が1500万円。これは「竜とそばかすの姫」の主人公BELLEが着用するドレス(森永がデザイン)のデジタル動画だ。また「アンリアレイジ」の2022春夏パリコレのデジタル動画10作品(各350万円)が3500万円、計5000万円だった。また「アンリアレイジ」のNFT特設サイトでは、このプライベートセールで落札された作品を含むデジタルルック11作品と、未販売のデジタルルックのNFT作品7点、計18作品を掲載。そのうちのNFT7作品は、10月17日〜24日のNFTマーケットプレイス「OpenSea」においてパブリックオークション形式で販売された。

今回売買されたのは、「アンリアレイジ」のデジタル動画だ。5000万円という金額は「アンリアレイジ」のような規模の企業にとっては少なくない金額だ。現在のアニメ人気を背景にしているとはいえ、コレクション作品がアートとして売れたわけだ。特にアート志向の強い作品は今後、いわば一点ものとして販売されることが予想される。これはファッション・ビジネスのひとつの未来を示唆するものではないだろうか。

NFT商品は、買い手が実際に着用するわけではない。デザインを独占・所有したいという欲望で購入するわけだ。実物のファッション購入でもこうした一面はあるだろう。スニーカーのコレクターが履くことのないスニーカーを何百足も集めているようなことがあるが、NFT商品には、靴箱は要らないのだ。パソコンにしまっておいて、好きな時に再現すればいい。今回の「アンリアレイジ」のビジネスはそのNFTビジネスの日本における先駆けということもできるかもしれない。バブルビジネスとも言われているが、まだまだ市場は拡大していきそうだ。マニアックなオリジナリティに溢れ凝りに凝った作りのデザイナーブランドには救世主になる可能性もある。

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