カプリ・ホールディングス(Capri Holdings Limited、以下カプリHD)は5月26日、2021年3月期通期決算を発表した。売上高は前年比26.8%減で40億6000万ドル(4458億円*)、営業利益は1900万ドル(20億8634万円*、前年は1億9200万ドルの赤字)、当期純損益は6200万ドル(65億4000万円*、同6300万ドルの赤字)の赤字だった。ブランド別で見ると、「ジミーチュウ(Jimmy Choo)」の売上が前年24.6%減、「マイケル・コース(Michael Kors)」が29.5%減、「ヴェルサーチェ(Versace)」が14.8%減だった。「ヴェルサーチェ」に関しては、米国とアジアでの売上が前年より増加したためブランド全体としての大きな減収は免れた。国別で見ると、米国での売上が前年30.2%減、欧州では32.4%減なのに対し、アジアでは5.9%減に留まった。カプリHDは、2019年以降の成長の背景には、中国人による中国内外での大きな需要と、若年層がより多くのラグジュアリーアイテムを購入するようになったという二つの要因があるとしている。2020年度には新型コロナウイルスの影響で高級品市場も大きな打撃を受けたが、2021年末または22年までにそれ以前の水準にまで回復すると予想されている。また同社は、2025年までには、ラグジュアリーブランドの売上の30%以上がオンラインショッピングによるものとなり、高級品市場の売上の約半分を中国人消費者が担うようになると予測している。同社は、今後も引き続きアジアでのシェア拡大に注力し、アジア市場に重点を置き続けるとしている。
*1ドル=109円換算(6月3日時点)