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「コム デ ギャルソン」のウイッグ問題はアウトレイジ・マーケティングか? 海外メディアはどう報じたか

Jan 22, 2020.高村 学Tokyo, JP
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ジュリアン・ディスのインスタグラムより

「コム デ ギャルソン(Comme des Garçons)」が2020年1月17日にパリで発表した2020-21秋冬のメンズコレクションのショーで、白人モデルに「コーンロウ」と呼ばれるウイッグを着用させたことをめぐって、海外メディアやSNS上で批判の声があがっている。トウモロコシのように編み上げる「コーンロウ」は、黒人の間で一般的なヘアスタイルだが、これを白人モデルに着用させたことが「不適切だ」「文化の盗用だ」といった批判が起きている。この問題は、トニー・リュー(Tony Liu)とリンゼイ・スカイラー(Lindsey Schuyler)が立ち上げた、ファッション業界における盗作などを監視する「ダイエットプラダ(Diet Prada)」などが投稿して、批判が広まった。このヘアスタイルを手がけたヘア・アーティストのジュリアン・ディス(Julien D’Ys)は、自身のインスタグラムで「エジプトのプリンスの美しさに触発されたものであり、そのオマージュだった。誰かを傷つけたり怒らせたりするつもりはなかった」との声明を即座に発表した。

この問題に対して海外メディアも報じている。『BBC』は、「ウィメンズのメインラインにはモデルの多様性がないという批判があった」と報じ、マーティン・レルメ(Martin Lerme)の「なぜコム デ ギャルソンは黒人モデルを起用しないのか?」という2018年に発表した論文を想起させる記事を掲載している。『ティーンヴォーグ(Teen Vogue)』はツイッター上のコメントを引用し、「新しいラインに注目させるための意図的なもので、いわばアウトレイジ・マーケティングだ」との記事を掲載している。黒人のためのジャーナリズムをコンセプトにしている『ブラヴィティ(BLAVITY)』は、「オリジネーターに対するクレジットはほとんどないまま、黒人文化が世界中でコピーされ続けている」と報じている。

なお、CEOのエイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)は、英『デイズド(DAZED)』で、この問題に対して謝罪する声明を発表している。

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