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落ちるナイフを掴むな!次の株価の底は?

Mar 19, 2020.久米川一郎Tokyo, JP
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株価の下落が止まらない。ついにニューヨークダウ平均は3月18日、2万ドルの大台を割り込んだ。史上初の3万ドル目前まで来ていた2月12日の2万9551ドルの終値から実にこの35日間で1万ドル下げたことになる。トランプ大統領が誕生した2017年1月には2万ドル寸前だったから、この3年間のトランプ相場は完全に「チャラ」になった格好だ。

一方、日本では2万5000円を射程に入れていた日経平均も1月17日の24041円を最後にズルズルと2万円を割り込んで、少し戻したかと思うと大きく下げるパターン。まさに「落ちるナイフを掴んではいけない」の相場格言通りの展開になっている。3月19日現在では1万7000円も割り込んで1万6000円台。次の節目となるのは2016年2月12日終値の1万4952円になるが、チャート的にはどうもそれぐらいまでは行きそうな気配濃厚だ。当たり前のことだが、株価というのは売り方と買い方が同じ数量でなければ成立しないのである。いくらダウントレンドになったからと言っても、やはり「落ちるナイフを掴む」人がいるから相場は成立するのである。参考までに1万4952円の次の谷ということになると第2次安倍内閣の成立した2012年12月の9900円ということになるだろう。アメリカでこの3年間のトランプ相場が「チャラ」になったように、この8年間のアベノミクス相場が「チャラ」になる日経平均1万割れというのはちょうどキリがいいように思うのだが。

簡単に言うと、やはり「コロナ・ショック」によって、長く続いた株式相場の上昇基調は遂に終焉を迎えたということだ。アベノミクスの8年で膨れ上がった風船が、コロナによって弾けてしまったというように考えるべきだ。残念ながら冬の時代がやって来たのだ。

2012年12月のアベノミクスのスタートが前回の2008年9月のリーマン・ショックを発端とする株式相場低迷を明転させたのだが、簡単に言って4年の低迷期があったと考えていい。その後に8年の上昇期。今回も3〜4年の低迷が続くと見ていいのではないだろうか。リーマン・ショックはリーマンブラザース証券の経営破綻によってサブプライムローンの問題が世界中に波及する後遺症を長らく引きずったわけだが、今回については感染は拡大の終息がいつになるかというのがポイントだ。「北半球の夏の訪れが終息」と言われているが、それは同時に「南半球の冬の訪れ」でもあり、そう簡単な問題とも思えない。仮に終息しても経済活動が正常化するまで、2〜3年はかかるのではないだろうか。株価が上昇に転じるのはさらにその先であろう。

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