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赤字続きである。簡単にいってイオングループのお荷物企業といっていい存在だ。しかし、今年4月以降そのコックスに春がやってきたのだ。自社開発のマスクビジネスの第1弾は「やわマスク」で4月2日に発表され、好評をもって迎えられた。これに続いて「ぴたマスク」(1枚400円、税別)を市場投入したが、これも好評。さらに6月1日予約販売を開始した接触冷感マスク「ひやマスク」(1枚600円、税別)が大ブレイクした。これを受けてイオンは、6月10日に「ぴたマスク」と「ひやマスク」の両マスクグループで500万枚を販売すると発表した。イオンにしたら親不孝のお荷物企業が「ようやってくれた」というところだろう。
この一連のマスク戦略で、6月9日に195円だったコックスの株価は6月12日にはほぼ倍の370円まで暴騰している。もともと前述したようにイオングループが全体の約70%を保有しているために、ちょっとした買いで株価が跳ね上がる嫌いはあったのだが、3日で株価が2倍とは猛烈である。コックスのマスクは中国製でその生産は大丈夫なのかと心配されるが、同社によれば「問題なし」とのこと。1枚600円として500万枚となれば、小売価格で30億円。コックスからイオングループの卸値は15億円程度だから、年商171億円のコックスにとっては、1割にもならない売り上げだが、「マスクのコックス」という市場での定評が出来上がったのは大きいだろう。
もはや、マスクは日常の必須アイテムとして、これからしばらく、いやこれからずーっと我々にとっては必需品になるわけで、今後のマスク市場でどんなヒット商品が生まれてくるのか、注目したい。