日本最大級のハンドメイドマーケットプレイスの「クリーマ(Creema)」を運営する株式会社クリーマが、11月27日に東京証券取引所マザーズ市場に新規上場した。公募価格は3570円だったが、11月27日の初値は4850円だった。その後、市場全体が好調なこともあって、株価は5000円台に突入している。2020年2月期連結決算では売上高15億1800万円(前年11億5000万円)、営業利益4800万円(同3億6600万円の赤字)、経常利益4500万円(同3億7200万円の赤字)、当期利益2800万円の赤字(同3億7300万円の赤字)だった。営業利益と経常利益段階では黒字化したが、当期利益はまだ赤字から抜け出せないでいる。そうした面から見ると、株価5000円は買われ過ぎとも思えるが、ハンドメイドに特化した戦略でアプリのダウンロード数が1050万とすでに土台は固まっており、上場を機に認知が高まれば次の成長が見込めるとの期待だろう。
海外では、すでに2016年7月には、台湾、香港を中心にした中国語圏全域を視野に入れた展開を行なっており、海外子会社の可利瑪股份有限公司を台湾の台北市に設立している。
収益源は、「クリーマ」での販売手数料とクリエイターへの広告枠の提供だ。実店舗としては、ルミネ新宿2階、札幌ステラプレイス地下1階、東京・二子玉川ライズ・ショッピングセンタータウンフロント1階の3店舗を擁する。2週間ごとにクリエイターの作品が入れ替わる。
創業者は、丸林耕太郎社長。そのモットーは「愛ある事業で、人を、世の中を元気にすること」というもので、クリエイターをエンパワーメントするあらゆるサービスを行うという。従来のハンドメイドマーケットプレイス提供に加えて、今年6月からはクラウドファンディングサービスも行っている。現在プロとセミプロを合わせ20万人のクリエイターが登録して常時1000万点の商品を提供し、2000万〜3000万人のユーザーが訪問しているという。ハンドメイドプレイス&クリエイターエンパワーメントの分野ではダントツの存在であるが、大いに注目したい企業だ。