1.ZOZO(第4位)
スマホ計測型体型データ取得システム「ZOZOスーツ」のことだと思うが、どうもこれが不発ではないかと言われ始めている。しかし、不発だとしてもこれがアパレル・オーダー戦争の火付け役になったことは事実。
2.カシヤマ・ザ・スマートテーラー(第28位)
「ZOZOスーツ」よりも早く、すでに昨年の年末にはスタートしていた。当然「ZOZOスーツ」開発の噂をキャッチして、先手を打って大手アパレルメーカーのオンワードホールディングスの子会社のオンワードパーソナルスタイルが販売したもの。むしろ、成果としてはこっちの方が上がっているようだ。百貨店のオーダースーツではナンバーワンの存在のオンワード樫山だが、これは同社の直営店での販売が基本。すでに36億円売り上げているという。「やればできるんじゃないの」の声もあるが、やはり強烈なライバルが出てきて危機感が生まれないと目が覚めないようだ。
3.東京ミッドタウン日比谷(第15位)
銀座とは50メートルしか離れていないのに、商業エリアではない日比谷に4月にオープンし、半年で1200万人を集めたという。ファッションなどの物販店舗で儲けるという発想を捨て高層オフィスで稼いで、低層階は飲食店舗によって賑わいを演出することに徹したコンセプトは、その後の都心ビルの在り方に大きな影響を与えている。
4.漫画『君たちはどう生きるか』(第6位)
日経トレンディの紹介文では「80年の時を超えた“史上最大”のリバイバルヒット」とある。80年前に吉野源三郎が1937年に書いた児童向けの啓蒙小説である。これを羽賀翔一の漫画にしたところがマガジンハウスの上手いところ。すでに300万部超えというが、これは取次への入荷冊数で実売ではないので、「400万部超えと言われた史上最大のベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』でも100万部近くは戻ってきたと言われるから、大丈夫か」という声もある。また「オッサンはどう生きるか」などいろいろとパロディも生まれている。それよりも、長引く出版不況に「出版社よ 君たちはどう生きるか」という本を出版したら売れるんじゃないかという皮肉な声も。