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フォワード・アパレル・トレーディングが自主廃業。商社の繊維ビジネスに統廃合の動き

May 27, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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フォワード・アパレル・トレーディング本社

香港を本拠にする大手商社フォン・グループ(FUNG GROUP)傘下の繊維商社であるフォワード・アパレル・トレーディング(旧社名兼松繊維)が本年内をめどに自主廃業する。コロナ禍の影響でビジネス環境が悪化しており、「将来に向けての事業継続が困難であるという判断に至った」(同社)。同社は5月21日から取引先への告知を行なっており、年内に全てのデリバリーは完了する予定だ。現在の年商100億円内外だが、大手総合商社の兼松から繊維部門であった兼松繊維がスピンアウトしたのは2007年。リー&フォン(LI&FUNG)が兼松からその55%を取得した。その後2012年には100%子会社化し、15年には社名もフォワード・アパレル・トレーディングに変更していた。「デルヴォー(DELVAUX)」などのブランド事業も行なっていたが、現在はOEM(相手先ブランド生産)、ODM(相手先ブランドの企画&生産)がメインだった。さらに現在はリー&フォンの親会社であるフォン・グループ傘下になっていた。今回も、すでに香港企業としての自主廃業ではあるが、兼松(旧兼松江商)の祖業は羊毛貿易で戦前は繊維が総売上の80%を占めていたが、繊維部門の売却に見られるように、総合商社にとって繊維は儲からないビジネスになっている。

 今年に入っても、日鉄物産繊維部門(20年3月期売上高1300億円)と三井物産の繊維事業の中核子会社の三井物産アイ・ファッション(MIF、20年3月期売上高1100億円)の2022年1月をめどにした統合が4月に発表された。両社合わせると2400億円の年商になる繊維商社が誕生する。出資比率は日鉄物産50%、三井物産50%の対等出資&役員数同数ではあるが、主導権を握るのはMIFであろう。

 さらに繊維商社蝶理による住友商事の子会社であるOEM企業スミテックスインターナショナルの買収が発表されたのも今年2月だった。蝶理の繊維事業は1145億円、スミテックスインターナショナルの年商は465億円(いずれも2019年度の売上高)。各総合商社の「選択と集中」によって繊維事業(主にOEM事業ではあるが)を売却したり、統合する動きが、コロナ禍をきっかけに活発になっていると言えるようだ。

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