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物流商社のジーエフHDが神戸アパレルの名門ジャヴァコーポレーション買収

Jan 19, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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ジャヴァコーポレーションが手がける「メイソングレイ(MAYSON GREY)」

アパレル物流をメイン事業にするジーエフホールディングス(HD)が、ワールドと並ぶ神戸アパレルの名門企業のジャヴァコーポレーションを、親会社のジャヴァホールディングスから3月30日付で買収する。ジャヴァホールディングスは2009年に伊藤忠商事が買収し、その後2018年には伊藤忠から投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドが買収していた。なお、今回の買収にはジャヴァ関連では最大ブランドである子ども服ブランドの「べべ(BEBE)」を手掛けるべべ株式会社はジャヴァホールディングスに含まれていないため、エンデバー・ユナイテッドからの今回の買収対象には入っていない。

ジャヴァ創業者の細川数夫氏(2012年に71歳で死去)に後継者がいないこともあって、2009年にOEMの取引があった伊藤忠傘下になったが、旨味がないと伊藤忠は投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドに2018年買却。エンデバー・ユナイテッドは昨年8月アパレル会社のパレモ・ホールディングスの株式17.67%を西松屋チェーンに買却していた投資ファンドだが、アパレルからは総退却を決めたのだろうか。そこに今回現れたのがジーエフHDだ。2011年設立の持株会社だが、そもそもは1990年に岐阜県で創業した物流企業だが、現在では国内加工・補修・検品・プレスサービス、海外検品、海外物流、OEM・ODM、EC支援サービス、新古品買取サービス、派遣・人材総合サービス、さらには保育園運営サービスまで手を広げている。言い方は失礼だが、貪欲なダボハゼ企業である。2020年3月期は469億5,700万円の年商があり、同社の児玉和宏会長兼社長は「あと5年以内に年商1000億円を達成したい」と意欲を見せている。紳士服チェーン大手のはるやまからメンズブランド「テットオム(TÊTE HOMME)」を2019年3月に買収するなど拡大のために貪欲な買収を続けている。傘下にすれば物流・倉庫・OEM・ODM・Eコマースなど自社のネットワークでやらせれば、相乗効果がでると考えているようである。こういう企業がコロナ禍で弱ったアパレル企業を吸収していくような買収が今後も見られそうだ。

前述したように、ジャヴァは1980年代に急成長したワールドと並ぶ神戸アパレルの2大企業だが、「愛」を企業理念に据えた創業者細川氏の下で独自のアパレル企業だったが、細川氏の死後は、親会社が転々と変わり企業としての紐帯も弱まり、忘れ去られた存在になっていた。今回ジーエフHDの下で浮上はあるのだろうか。

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