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イギリスとアイルランドの全店舗を閉鎖する「ギャップ」の現状はどうなっているのか? 

Jul 2, 2021.高村 学Tokyo, JP
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「ギャップ(Gap)」「バナナ・リパブリック(Banana Republic)」「オールドネイビー(Old Navy)」などを擁する米国のギャップ(Gap)社は6月30日、9月末までにイギリスおよびアイルランドで展開する「ギャップ」の全81店舗を段階的に閉鎖すると発表した。今後はEコマースに注力する。「ギャップ」は1987年からイギリスで、2006年からアイルランドで展開を開始していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で店舗が休業に追い込まれるなど打撃を受けていた。また、フランスとイタリアの店舗については売却に向けた交渉に入っていることも明らかにしている。

昨年10月22日にオンラインでの投資家向け説明会に登壇した最高経営責任のソニア・シンガル(Sonia Syngal)は、イギリス、フランス、イタリア、アイルランドにある店舗を閉鎖し、ヨーロッパからの撤退を検討しており、合理化を進めていることを表明していた。その際、3カ年経営計画の一環として北米の店舗の約3割に相当する店舗を閉鎖することも発表しており、「ギャップ」で220店舗、「バナナ・リパブリック」で130店舗、合計で350店舗を段階的に閉鎖する。

一方で、ギャップ社の2021年1月期の第1四半期は、売上高は前年同期比89%増の39億9100万ドル(4430億円*)、営業利益は同508%増の16億3000万円(1809億円*)と好調だ。「オールドネイビー」が特に好調で売上高は同120%の伸びとなり、約30〜40店舗の新規出店を計画している。「アレスタ(ATHLETA)」も同69%増と好調を維持しており、20〜30店舗を出店する予定だ。ギャップ社は6月1日には全世界のフロントラインで働く販売スタッフとカスタマーセンタースタッフの約7万人に300ドル(3万3300円*)のボーナスを支給すると発表している。

ギャップ社は、スペインのインディテックス、スウェーデンのH&M、日本のファーストリテイリングと合わせて4大SPAのひとつだが、近年は売り上げ順で最下位に甘んじている。今秋、カナダに海外初進出する「アスレタ」がギャップ社復活の鍵を握るとも言われているが、「ギャップ」ブランドの再興に期待したい。

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