建築デザインは、建築設計集団OMAのパートナーおよびニューヨーク事務所代表を務める建築家の重松象平氏が担当。デュアリティ(二面性)をコンセプトに、フラッグシップ店舗が並ぶ表参道と、個性豊かな路面店が点在する奥原宿の境界に位置するという特性を活かした建築形態をデザインしたという。表参道側は垂直性と透明性を意識したアイコニックな外観とし、パサージュを抜けた先には、奥原宿のスケール感に合わせた小さな店舗や広場、アートスケープを配置するなど、二面性を持ち合わせた計画としている。 重松氏は新生「原宿クエスト」について、「表参道と奧原宿を繋げ一体化する初めての建築」とし、「明治神宮、代々木体育館、代々木公園、原宿駅に近く、表参道の中でも公共性の高いエリアにあリます。そして同時に、敷地の北側では竹下通りなどがある奧原宿にも面しています。まさに二面性のストーリーを持った建築を計画するには最適な場所」とコメントしている。ランドスケープデザインは、ランドスケープ・プラスの平賀達也氏が担当。表参道と奥原宿をつなぐエントランスからパサージュにかけては、明治神宮から連続した地層をイメージした壁面を設ける。また、施設の随所に明治神宮の杜やケヤキ並木と呼応するよう緑豊かな植栽を計画し、明治神宮の植生を反映することで原宿の地に馴染み親しまれる、サステイナブルな施設を目指す。
新生「原宿クエスト」ではそのほか、原宿独特のカルチャーやライフスタイルを体現する多様な次世代アーティストたちと共にさまざまな取り組みを予定している。施設のプロモーションとして、アーティストのbaanai氏が描いた原宿を象徴するアート作品を展開していく。「ARIGATOUGOZAIMASU HARAJUKU QUEST」という文字で埋め尽くしたスペースに、多様性の象徴であるレインボーカラーを塗り重ね、「QUEST」の鏡文字を描いた作品。「歴史と想いを塗り重ねて次世代へつなぐ」というbaanai氏の思いが込められている。