
自然派化粧品ブランドを展開するハウス オブ ローゼは11月5日、2026年3月期の中間期決算を発表した。売上高は56億5300万円(前年同期比1.0%減)と微減にとどまったが、営業損益は1億1600万円の赤字(前年同期は5900万円の赤字)、最終損益も9800万円の赤字(同8000万円の赤字)となり、赤字幅が拡大した。人件費上昇や新ブランドの譲受にかかる費用が利益を圧迫した。
ハウス オブ ローゼは、「ハウス オブ ローゼ(HOUSE OF ROSE)」などを中心に、直営販売や卸販売、サービス事業を展開している。主力の直営店商品販売事業では、LINE会員数の増加を背景にEコマースが前年同期比3%増と好調だったものの、賃上げによる人件費増に加え、自然派スキンケアブランド「ママバター(MAMA BUTTER)」のブランド譲受に伴う初期費用の影響で利益が悪化。売上高は43億9400万円(同1.3%減)、営業損益は1億8100万円の赤字(同1億5100万円の赤字)となった。
卸販売事業では、個人オーナー店舗向けの売上高が6億5600万円(同1.1%増)と微増した一方で、営業損益は1900万円の赤字(同300万円の黒字)に転落。大手量販店向けの取引では、夏季限定商品や秋冬限定品が堅調に推移したが、一般卸では海外向け越境ECの伸長があった一方で、人気商品の「ボディスムーザー」が苦戦。また、東京ディズニーランドへの来場者数減少も影響し、一部販路で販売が伸び悩んだ。
直営サービス事業(フィットネスジム「カーブス」など)は、売上高6億200万円(同0.9%減)、営業利益8400万円(同4.7%減)。9月には「カーブス」の入会者数が過去最高を記録し、期初からの純増は約590名と堅調に推移している。女性の健康意識の高まりを背景に、今後も安定的な会員基盤の維持を目指す。
また同社は、同日開催の取締役会で別途積立金の一部取り崩しを決議。4億円を繰越利益剰余金に振り替え、中間配当の実施および株主還元の強化を進める。経営基盤の安定化とともに、持続的な株主価値向上を図る方針だ。
ハウス オブ ローゼは2026年3月期通期で、売上高121億2000万円(前期比4.5%増)、営業利益2億円(同61.8%増)、当期純利益4600万円(同43.1%減)を見込む。自然派化粧品の需要は引き続き堅調とみられるが、人件費や物流コストの上昇が課題として残る。ブランド譲受による新規顧客層の獲得とオンライン販売の強化が、今後の収益回復の鍵を握る。










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