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Global|「コロナ・パンデミック」でラグジュアリー・ブランドはどう動くのか?

May 9, 2020.橋本雅彦Tokyo, JP
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ファッション&アパレル関連の大手小売業の第1四半期(1〜3月)の厳しい決算が発表になっているが、さらに上場ラグジュアリー企業の第1四半期決算も発表になっている。それによると:
LVMH:売上高-15.0%(1兆2368億円)
ケリング:売上高-15.4%(3750億円)
エルメス:売上高-7.7%(1761億円)
いずれも中国市場が1月から店舗の閉店が続き、3月からは欧米の店舗の閉店が続くという環境だったが、最大手のLVMH、ケリングの減収幅が15%程度というのは、やはり今のファッション市場における圧倒的な強さを感じさせる。さらにラグジュアリー・ブランドの頂点と目される「エルメス」に至っては、そのLVMH、ケリングの減収幅の半分である-7.7%である。さらに日本での「エルメス」は1〜3月においては1%の増収を記録した。日本での営業自粛が3月中旬からだったのと、円高によるものではあったのだろうが、恐れ入る。2008年9月15日のリーマン・ショックの時にもほぼ影響がなかったのは「エルメス」だけだったのを思い出す。

この1〜3月だけで今後のラグジュアリー・ブランドの動向を予測するのは早計だ。まず最大市場の中国が3月後半から営業を徐々に再開していたものの、逆に欧米は営業の自粛を始め、4月からは日本も営業自粛を本格化して現在に至っているので、4〜6月の第2四半期にどの程度の減収幅になるのかは大いに注目される点だ。

今のラグジュアリー・ブランドの黄金時代(「ルイ・ヴィトン」や「グッチ」の全世界売上高が1兆円を超え、シャネル社の年商も1兆円を超えている)は、「リーマン・ショック」の影響が消えた2014年あたりから始まっているのであるが、この「コロナ・パンデミック」で終焉を迎えるのではないかという見方は根強い。なぜなら膨大な失業者が街に溢れることが予測され、とてもラグジュアリー・ブランドをリスペクトする市場環境を維持するのは難しいだろうというのが大方の見解だからだ。ラグジュアリー・ブランドに求められるのは、富裕層がラグジュアリー・ブランドを購入する際の「負い目」を払拭するような多大な社会貢献が必要になってくるだろう。そうした姿勢を強烈に示さない限り、前述した購入の根幹要因である「リスペクト」を喚起することは難しい。そしてその黄金時代に終止符を打つような最悪の事態も考えられないではないのだ。第2四半期決算が出揃った時にまたその未来を考えてみたい。

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