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Japan|久米川一郎が選ぶこの1週間のファッション&アパレル業界の5つの出来事

Nov 12, 2018.久米川一郎Tokyo, JP
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①マッシュHD 8月決算は増収減益

たぶん、今のファッション&アパレル業界で一番元気な会社の筆頭かもしれないマッシュホールディングスの8月決算が発表になった。売上高は前年比10%の704億円。営業利益は55億円。営業利益率は11%から8%に低下(以上繊研新聞11月5日号P.1)。さしものマッシュHDもここに来て足踏みという感じだが、主力の「SNIDEL(スナイデル)」(前期3%)の立て直しが鍵か。


②「ワークマンプラス」が11月8日川崎市・中野島に立川店に続く2号店

日刊業界紙の繊研新聞では「ワークマン」の記事がない日がないくらいに同社の動向を追っている。東証ジャスダック上場企業の作業着メーカーだが、2016年3月期から2018年3月期までの業績推移は売上高:495億円→520億円→560億円、営業利益:88億円→95億円→106億円とウナギ登り。東京五輪が近く土木作業がヒートアップして作業着需要が旺盛なのかと思いきや、もちろんそれもあるが同社のプロユース(土木工事作業員のことである)で開発した「ワークマンプラス」が大ヒットし、プロのみならず一般人が買いに来るようになったという話。プロユースだから防寒・通気・運動性などは「Moncler(モンクレール)」「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」並みの機能性を持っているのだが、当然のことながらブランド知名度はないから破格の安さ。例えば1番人気の「エアロストレッチ ブルゾン」は制電機能まであって2900円。これに若者が殺到したというわけだ。意外な展開に第2の「UNIQLO(ユニクロ)」の声も。動向を見守りたい。


③プライベートブランド「ZOZO」の進捗に遅れ(繊研新聞11月2日号P.3)

これは繊研新聞のスクープなのだろうか。前澤友作・ZOZO(ゾゾ)社長のインタビュー記事だ。話題を呼んだ同社のスマートフォン計測型オーダーシステム「ZOZO SUIT(ゾゾスーツ)」によるプライベートブランド「ZOZO(ゾゾ)」の売り上げが4〜9月の半年でたった6億5000万円だったという記事。どうも「ZOZO SUIT」&「ZOZO」に暗雲が立ちこめているようだ。


④暖冬確定か!?10月商戦で占う今、秋物商戦の行方

いつまで経っても天候頼みでは農業と同じだが、どうも今年は暖冬らしい。気温が下がらなくては、秋冬商品の主役のコート、ダウンは動かない。その代わりシャツ、ドレス、スカートがよく動いているという。気になるのは10月の「UNIQLO」の国内既存店が前年比90%だったこと。ファッション&アパレル企業の不振の言い訳で「天候」に並んで多いのが「天気」。ただしECの普及で「雨で客の出足が止まった」というのは通じなくなっている。


⑤中期経営計画の上方修正(ゴールドウイン)と下方修正(三陽商会)

11月第1週には、来年3月に本決算を迎える企業が9月中間決算を発表する。特に注目したいのはゴールドウインで、相変わらず絶好調が続いている。営業利益は前年の2倍以上の31億円余り。2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を上方修正して売上高900億円(当初800億円)、営業利益110億円(同65億円)、経常利益115億円(同73億円)としたが、今の絶好調が続けば年商1000億円も射程だろう。
一方、こちらは12月決算だが、10月30日の第3四半期(1〜9月)決算発表時にゴールドウインとは逆に下方修正を発表したのが三陽商会だ。同社は来年12月期を最終年度にする中期経営計画を下方修正。売上高650億円→620億円、営業利益20億円→5億円。赤字転落と現在40円の配当の無配化の可能性も出てきた。全ては「Burberry(バーバリー)」のライセンス契約が2015年に終了したことによる業績不振だ。ちなみに主力だった「Burberry」のライセンス契約を2012年に終了させられたベルト製造卸しの根岸商会(本社:東京都台東区)が10月31日に自己破産を申請している。

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