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インターブランドのベストジャパンブランズ100に異議あり!

Mar 9, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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第6位にランクインした「ユニクロ」
インターブランドジャパンによる毎年恒例のベストジャパンブランズ100が2月25日発表になった。インターブランドは1974年にロンドンで設立以来、ブランディング専門会社として活動してきた。インターブランドジャパンはそのロンドン、ニューヨークに次ぐ第三の拠点として1983年に設立されている。このランキングは同社によるブランド価値を金額評価するという独自の価値評価によるものである。カスタマーサービスの会社だから、当然のことながらカスタマーへの忖度や非カスタマーへの低評価などもあるのではないかと思うが、それは不問にして本稿では、その中からファッション、アパレル、化粧品、スポーツ、小売業、デベロッパーなどのライフスタイル関連ブランドをピックアップして、最近のブランド価値動向について感想を書いてみた。ベスト100については別表を参照して欲しい。
 6位 ユニクロ +11%
 17位 資生堂 +23%
 18位 セブンイレブン 初登場
 19位 楽天 +6%
 20位 花王 +9%
 29位 無印良品 +2%
 37位 コーセー +1%
 41位 三菱地所 +9%
 47位 ローソン -4%
 52位 富士フィルム 再登場
 59位 アシックス -13%
 66位 ファミリーマート +6%
 68位 三井不動産 -4%
 77位 旭化成 初登場
 79位 ニトリ +12%
 80位 ZOZOTOWN -16%
 81位 マツモトキヨシ +5%
 90位 ABCマート +4%
 94位 ワークマン 初登場
 96位 ライオン +4%
 97位 ポーラ -4%
 99位 メルカリ -14%
こうしてピックアップしてみると、いくつか不可解なことがある。まずコンビニ業界でダントツの知名度・業績を自他共に認めるセブンイレブンがローソン、ファミリーマートの後塵を拝して今回いきなり17位で初登場とはどういうことなのだろうか。生みの親とも言える鈴木敏文会長退任時のスキャンダルやFCの離脱騒ぎの後遺症が今までマイナスに働いていたためなのだろうか。
化粧品業界では少なくともファンケルがベスト100には入ってくるのではないだろうか。さらに化学・合繊分野では旭化成が77位で初登場しているが、なぜそれよりも知名度があって規模も業績も上位の東レが入っていないのだろうか。オンワード樫山が入らないのは今の厳しい状況下では理解できるが、復調しているSPA企業のしまむらは入りそうなものだがイメージが低いためだろうか。それよりも国際的な展開も行なっており、知名度も圧倒的でさらに業績や企業体質も盤石のワコールが日本のベストブランズ100に入らないというのはこのランキングの価値を決定的に乏しめているとしか思えないのだが、どうなのだろうか。まさか単純なセレクトミスということはないと思うが。ファッション、アパレル、化粧品、スポーツ、小売業、デベロッパーなどのライフスタイル関連だけでも、これだけの不可解があるのだから、他業種でも不可解なことがあるのではないか。
さらに小売業では、イオンが100位に入っていないのも不思議。もちろん伊勢丹、三越、高島屋、西武百貨店、大丸、松坂屋、阪急百貨店などの知名度抜群の百貨店がその業績不振、株価低迷からベスト100に入っていないのは当然と言えば当然。これらの名前が1980年代ではきっと上位にランクインしていたのだろうなと思うと感慨深いものがある。またスポーツ、アウトドアのブランドがこのベスト100には少ない。スノーピークあたりは有望だと思うが。
ベスト100に選ばれたファッション、アパレル、化粧品、スポーツ、小売業、デベロッパーなどのライフスタイル関連ブランドは22ブランドあったが、注目は初登場のワークマンだろう。社名でもあるが、同社は作業着メーカーである。その作業着のうちカジュアルウェア、アウトドアウェアとしても着られそうなアイテムを集めた「ワークマンプラス」という店が大ヒットしてこの2017年10月以来連続40カ月既存店ベースで毎月増収を続けてきた。さすがに今年2月にこの連続記録はストップした(全店では継続中)が、これはアパレル業界の話題を独占した。今回のベスト100入りには話題賞的な意味合いもあるのか。

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