三越伊勢丹ホールディングスは、子会社である三越伊勢丹研究所を2021年3月末で事業終了し、同社を清算する。三越伊勢丹研究所は国内外のファッショントレンドや消費者のライフスタイルなどを調査・分析する機関で、ファッション業界屈指の研究所だった。
三越伊勢丹HDの広報によると、三越伊勢丹は顧客を起点に既存のリアル店舗だけでなく、デジタルも活用することで、新しい顧客体験の提供を目指しており、それにともない業務フローも従来のリアル店舗を軸に設計したものではなく、リアル店舗とデジタルが融合したシームレスな環境を軸に設計したものに変更し、新たなマーチャンダイジング業務フローの確立を進めているという。今回、これまで三越伊勢丹研究所が担ってきた役割や業務については、その新たなマーチャンダイジング業務フローの中に組み込んでいくことが可能であるという判断から、事業終了を決定したという。なお、三越伊勢丹グループへの業績の影響は軽微であるとしている。
三浦彰
セブツー 編集委員
本格的ファッション評論の草分けともいうべき小指敦子(こざすあつこ 1933〜1993)やその後「ザ・ギンザ」、東武百貨店のファッション部門を指揮した殖栗昭子(うえくりあきこ)などを輩出するなど、伊勢丹研究所は特に1980年代には日本のファッションをリードした。