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ファッション&アパレル関連株騰落率ランキング 仕手筋介入の井筒屋が急騰してトップ

Oct 1, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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井筒屋

SEVENTIE TWOでは、ファッション&アパレル関連の83銘柄を取り上げて、その株価の騰落率をランキングしている。今回は8月31日と9月30日の83銘柄の株価の終値を比較している。

まず株式市場の概況について述べる。日経平均株価(225種)は、9月14日に終値で一時31年ぶり(1990年8月以来)の高値3万670円10銭を記録した。これは今年2月16日に付けたこれまでの年初来高値3万467円75銭も上回る高値だった。菅義偉首相が自民党総裁選に不出馬を表明したことで新首相誕生、自民・公明政権維持という期待とコロナ感染拡大第5波の収束の兆しが見えたというダブル要因が株価を押し上げた。

しかしその後、中国不動産業界大手の恒大集団の経営難や米国経済の過熱感から金利上昇を懸念する2大マイナス要因から株価は急落している。特にNYダウ平均は3万5500ドルを目前にしていたが、3万5000ドル、3万4000ドル(9月30日)を割り込む厳しい下げになっている。FRB(連邦準備制度理事会)の金利政策に注目が集まっている。これに追随する形で日経平均も3万円を割り込み、10月1日には2万9000円も割り込む展開になっている。

こうした相場展開では、業績の良い優良株に買いが入るのは難しい。業績低迷してここしばらく売り叩かれて株価も低位圏にいるような株に買いが入ることが多いが、今回もそうした株が上昇している。今回日経平均株価は+4.8%だったが、SEVENTIE TWOが選んだ83銘柄の単純平均は8.72%増だった。値上がり銘柄は65、値下がりは17、変動なしは1だった。値上がり株が多いのはファッション&アパレル小売りの急回復への期待が感じられる。

値上がり率第1位(+62.4%)はダントツで井筒屋。北九州市を地盤にする百貨店で九州に本社を置く百貨店としては唯一東証1部に上場している。また過去に北九州市で営業していた他社の競合百貨店は全て同市から撤退・閉店しているという誇らしい過去を持っている。しかし今年2月の通期決算は:
・売上高:505億3400万円(−23.6%)
・営業利益:1200万円(−99.0%)
・経常利益:−1億6500万円(前年10億3000万円)
・親会社株主に帰属する当期純利益:1億1100万円(−72.8%)

という惨澹たる結果に終わった。ところが、今年7月13日に発表された第1四半期(3月1日〜5月31日)では:
・売上高:125億6800万円(+41.0%)
・営業利益:1億6700万円(前年−7億4100万円)
・経常利益:1億7400万円(前年−8億100万円)
・親会社株主に帰属する四半期純利益:1億1600万円(前年−8億3600万円)
と急回復を見せているのだ。これは2018年第1四半期の売上高166億800万円、営業利益2億2000万円、経常利益1億6100万円、親会社株主に帰属する四半期純利益7300万円に、売上高では遠く及ばないが利益水準では匹敵する数字だ。これでたしかに株はわずかに上がったのだが、9月16日の終値208円を底にしたストップ高を含む9月27日の終値384円までの猛烈な上げは業績要因ではなく、仕手筋介入が噂されている。この井筒屋株は低位仕手株として知られ、忘れたころに株価が暴騰するので知られている。とはいえ、1株あたりの純資産が720円(2021年2月期決算時)あり、株価はその45.5%でしかない。1株あたりの純資産とは言ってみれば解散価値(会社が解散した時に1株保有の株主に与えられる金額)であり、1倍が基準になるとすれば、その0.45倍でしかないのだからまだまだ株価は低いという考え方もある。いずれにしても、そうした仕手筋が介入している相場であって、通常の業績本位の見方では判断できない。ただし、井筒屋は2018年に宇部店、2019年に小倉駅前の商業施設コレット、2020年に黒崎店を閉鎖して、現在は小倉店と山口店の2店体制に集約をはかって百貨店事業を行なっており、その効果がそろそろ現れそうではある。今まで北九州に百貨店の新規参入を許して来なかった北九州の強豪百貨店は生き残れるのだろうか。

上昇率第2位(+31.7%)は青山商事だった。第1四半期決算が発表されたのは8月10日だが、その10日後の8月20日の608円を底にして上昇している。通期での黒字が見えて来たというのが投資家の判断のようだ。8月の既存店売り上げも全店ベースの売り上げも前年を割って、決して急回復している印象はないのだが、簡単に言って株が売られ過ぎている印象だ。同社の1株当たりの純資産は3231円(2021年3月期決算時)。現在の株価851円は売られ過ぎと言っていいだろう。2015年8月14日には5030円という高値があった同社株である。わずか5年で株価は6分の1まで売られてしまったのだ。

上昇率第4位(+25.3%)のオンワード ホールディングスについても同様のことが言える。2005年12月30日には2320円の高値を記録したナンバーワン百貨店アパレルメーカーも現在の株価は362円。やはり6分の1以下まで売られている。7月8日に発表になった第1四半期では黒字転換を果たしており、10月上旬に発表される第2四半期決算も黒字決算が予想されており、売られ過ぎとの判断から今後も買いが入ってもおかしくはないが、長期的に同社の成長を見込んだ買いというわけではない。

※「SEVENTIE TWO」ファッション&アパレル関連83銘柄
スノーピーク、ハニーズホールディングス、ライトオン、バロックジャパンリミテッド、ミズノ、ニトリホールディングス、TOKYO BASE、ゴールドウイン、キムラタン、ゼビオホールディングス、グンゼ、アツギ、TSIホールディングス、パルグループホールディングス、エニグモ、近鉄百貨店、タビオ、イオン、山喜、タキヒヨー、フェスタリアホールディングスナイガイ、ドウシシャ、コナカ、カッシーナ・イクスシー、ヤマト インターナショナルヤギ、しまむら、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、シャルレ、ワコールホールディングス、ZOZO、堀田丸正、パレモ・ホールディングス、ダイドーリミテッド、ナルミヤ・インターナショナル、夢展望、川辺、チヨダ、AOKIホールディングス、井筒屋、サマンサタバサジャパンリミテッド、千趣会、ワークマン、メルカリ、デサント、松屋、マツオカコーポレーション、4℃ホールディングス、良品計画、三越伊勢丹ホールディングス、MRKホールディングス、クロスプラス、サックスバー ホールディングス、ABCマート、はるやまホールディングス、ムーンバット、高島屋、J.フロント リテイリング、タカキュー、アダストリア、ダブルエー、セブン&アイ・ホールディングス、コックス、エイチ・ツー・オー リテイリング、丸井グループ、ワールド、三陽商会、ルックホールディングス、青山商事、ラピーヌ、オンワードホールディングス、ANAP、コメ兵ホールディングス、キング、西松屋チェーン、ファーストリテイリング、ユナイテッドアローズ、アシックス、ジンズ、ロコンド、BASE、東京ソワール

 

 

 

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