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最新家計調査で判明!この20年間でほぼ半減したアパレル消費!!

Feb 10, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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2月5日に総務省統計局が2020年1月〜12月の家計調査を発表したが、2000年以来最大の落ち込みになった。一般紙などは2人以上世帯を対象に物価変動の影響を除いて消費金額は前年より5.3%の減少としている記事が多い。調査した8167世帯すべてを対象にして、物価変動を考慮せずに統計を見直してみた。単身世帯を入れた方がもっとリアルな数字になるはずだ。

まず、年間総支出金額は、2019年の299万6452円から、6.5%減少して280万2811円になった。この20年で最大の落ち込み幅と言われるが、このコロナ禍ではそんなもんだろうというのが一般的な感覚ではないのか。ちなみに実収入は前年の51万2534円(月平均)から52万9956万(同)へ3.4%増加している。

しかし、2000年の年間総支出の欄を見てみたら、337万4494円となっている。なんとこの20年間で総世帯の支出は、17%の落ち込みになっているのだ。2001年に小泉純一郎&竹中平蔵による「構造改革」がスタートしていて、非正規労働者が急増し、今では全労働者の3分の1は非正規労働者で、その4分の3は年収250万円以下という状況だ。全労働者の4分の1が年収250万円以下なのだ。まさに構造改革によって、日本は本当に「貧しい国」になってしまったのである。「構造改革」に加えて、2000年〜2020年の日本の消費を大きく減退させたのは、2014年(5%→8%)、2019年10月(8%→10%)の2回にわたる「消費税圧力」である。今回の調査の消費支出6.5%減少についても、コロナ禍はもちろんだが、8%→10%の後遺症も加わっていると見て間違いなさそうだ。「コロナ禍のおかげで消費増税の影響が語られなくなってホッとしている」なんていう不埒な財務省関係がいそうである。

さて、2020年のアパレル消費について、調査結果を見てみた。洋服(婦人用洋服、男子用洋服、子供用洋服)の欄をピックアップしてみる。この他にシャツ・セーター、下着類、他の被服、生地糸類、履物類、被服関連サービスという項目があるが、この「洋服」という分類が一番アパレル消費の動向を見るには適しているようだ。それによると、2019年の4万6709円が2020年には実に21.5%減少して3万7149円になってしまっている。これはなかなか厳しい数字だが、ほぼ実態を表しているのではないだろうか。これでは、アパレル業界はまず立ち行かなくなる。しかも1月7日からの2回目の緊急事態宣言があり、さらに3月7日までの延長も発表された。これはかなり深刻な事態になってきた。具体的に「あそこが危ないみたい」という声も聞こえ始めている。

ちなみにこの「洋服」の2000年の年間消費額を見てみた。7万1886円。この20年間で、この7万1886円は49.3%減少してなんと3万7149円になってしまったのだ。簡単に言って、半分である。これにはさすがに背筋が凍りついてしまう。「洋服」にまでお金が回せないということなのだ。様々な原因が複合的に作用して、こんな事態になったのであろうが、それにしてもである。コロナ禍の今、衣料消費の実態と今後について、真剣考えかつ動かないと、文字通りアパレル業界に明日はない状況だ。

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