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ケリングの売上高が2兆円に迫る 2019年12月期の通期連結決算は前年比16%増の成長

Mar 3, 2020.高村 学Tokyo, JP
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ケリンググループ(Kering Group)が2019年12月期の通期連結決算を発表した。売上高は158億8350万ユーロ(約1兆8900億円*)で、前年同期比16.2%増となった。当期純利益は23億860万ユーロ(約2863億円*)で同37.4%減だったが、これは「グッチ(GUCCI)」がイタリア税務署から租税回避を指摘され、追徴課税など約12億ユーロ(約1440億円*)を支払ったためで、この税金分を差し引くと32億1150億円(約3853億円*)で同15.1%増となる。

売上高を地域別で見ると、北米は15%増、西ヨーロッパは6%増、アジア太平洋(日本を除く)は20%増、日本は6%増だった。民主化デモの影響で香港の売上高は半減したものの、アジア地域が牽引した。

ブランド別では、「グッチ」が前年比16.1%増の96億2840万ユーロ(約1兆1554億円*)、「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」が前年同期比17.5%増の20億4910万ユーロ(約2458億円*)と前年に続いて躍進した。2018年7月からダニエル・リー(Daniel Lee)がクリエイティブ・ディレクターを務める「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」は11億6760万ユーロ(約1401億円*)の売上高を計上し、プラス成長している。

ケリンググループのフランソワ・アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)CEOは、「当グループの今期は収益が大幅に増加し、持続的な成長を実現しました。売上高は150億ユーロを超え、経常利益率は30%を超えました。私たちは戦略の実行を追求し、価値の創造を目指します」と、語っている。

来期も年率16%のペースで成長を持続できれば売上高2兆円を達成するが、しかし新型コロナウイルスの影響が深刻だ。特にこの成長を牽引してきたアジア太平洋は予断を許さない状況が続いている。一方で、ケリングは昨年、イタリアのダウンウエアメーカーのモンクレール(MONCLER)と買収の可能性を巡り予備協議を行っている。もし合意に達すればグループの今後の成長に大きく貢献するのは確実だ。こうした状況のもと、ピノーCEOがグループの成長に向けてどのような手腕を発揮するか注目したい。

*1ユーロ=120円換算(3月3日時点)

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