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ケリングが「自然再生基金」の第1期助成先を発表​​ 世界各地の農業従事者6万人に恩恵

Sep 6, 2021.西岡愛華Tokyo, JP
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ケリング(Kering)は9月6日、2021年1月に国際的な自然保護団体のコンサべーション・インターナショナル(Conservation International)と設立した「自然再生基金(Regenerative Fund for Nature)」の第1期助成先となる7団体を発表した。同団体は、米国・バージニア州に本部をもち、地球規模の課題に対する活動を70を超える国と地域で行っている。今回の助成は、ラグジュアリーおよびファッション業界のコットン、ウール、カシミア、レザーのサプライチェーンにおいて、1万㎢の土地を環境再生型農業に移行させるプロジェクトに重点を置くものだ。

初回の公募では17カ国から76 件の応募があり、最終的に南米、中央アジア、インド、 ヨーロッパ、アフリカの7つの地域から、以下7団体が助成先として選出された。サステナブルな放牧方法構築を目指すモンゴルのThe Good Growth Company、有機栽培農業にサステナブルな農法を導入することを目的とするインドのOrganic Cotton Accelerator、先住民族の零細農家と協力し、放牧地の管理改善や原生林・在来種の植生修復に取り組むアルゼンチンのFundación Solidaridad Latinoamericana、ヤギ飼いと協力し、伝統的な放牧システムの復を目指すスペインのFundación Global Nature、環境再生型放牧や包括的な管理アプローチが持つ力と野生動物に配慮した実践方法を融合させることで、パタゴニアの羊毛生産と野生動物との共存を実現するアルゼンチンのWildlife Conservation SocietyおよびThe Wildlife-Friendly Enterprise Network、植物の多様性を高めることで生態系と社会にプラスの成果をもたらすことを目的とするフランスのEpiterre、そして生物多様性の修復と保護、機能の向上、および現地の羊毛産業への市場アクセスの改善を通じた生計手段を得る機会の拡大を目指す、南アフリカのConservation South Africa。選出には、「クロエ(Chloe)」のCEOのリカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellini)、フランス国立自然史博物館館長のブルーノ・ダヴィッド(Bruno David)、ケリングの最高戦略責任者のマリー=クレール・ダヴー(Marie-Claire Daveu)、コンサベーション・インターナショナルのCEOのM・サンジャヤン(M. Sanjayan)ら7名が助言し、それをもとに基金のテクニカルアドバイザリーボードの選考委員会が最終的な受給団体を決定した。

この基金の第1期助成先は、自然保護の観点から極めて重要な役割を果たしうる各地域で活動を展開しており、多様で大きな影響力を持つポートフォリオを形成している。今回選出された7団体は今後、小規模および大規模な農業システムに従事する6万人の人々に直接恩恵をもたらしていくと予想されている。

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