ケリングは、生物多様性に関して初となる戦略を発表し、また、2025年までに生物多様性におけるネット・ポジティブ・インパクトを実現するための新たな生物多様性の目標を発表した。「Kering for Nature Fund」を立ち上げ、ファッション業界における環境再生型農業への転換に向けた取り組みをサポートしていく。
ケリングの生物多様性戦略は、サプライチェーン全体における生物多様性の損失を最小限に抑えるだけでなく、生物多様性の劣化の回避、健全な土壌を支えるサステナブルな環境再生型農法の推進、炭素の吸収・固定において欠くことのできないグローバルな生態系および森林の保護を促すもの。ケリングは、環境に対するこれまでのコミットメントと並行して、2025年までに生物多様性に重点を置いた3つの最終目標を掲げる。1つ目は、生物多様性においてネット・ポジティブ・インパクトを実現するために、サプライチェーンにおける原材料の生産までさかのぼった上で、生産に要する土地面積の合計の約6倍に当たる土地を再生、保護する。2つ目は、サプライチェーンを展開する地域において100万ヘクタールの農地および放牧地を環境再生型農業に転換させる。3つ目は、生物多様性の保全、炭素の吸収・固定、生息環境の改善を支援するプログラムを通じて、サプライチェーンの外部にある極めて重要で“代替不可能な”生息地をさらに100万ヘクタールにわたって保護する。また、生物多様性戦略の実行を支えるための「Kering for Nature Fund: 1 Million Hectares for the Planet」も設立。この基金はコンサベーション・インターナショナルと連携し、世界中の有望な再生型農業プロジェクトを支援するもので、100万ヘクタールの土地を環境再生型の農法によって管理することを目的としている。