営業利益:89億円(前年より66億円増)
経常利益:112億円(前年より65億円増)
当期利益:72億円(同152.9%増)
野間省伸社長は「21世紀に入って最高の数字」と発言している。
講談社と並んで、出版大手3社と言われる集英社の今年5月決算も見てみよう。
売上高:1529億400万円(前年比14.7%増)
当期利益:209億4000万円(同112.0%増)
営業利益と経常利益は非公表だが、当期利益は実に倍以上になっている。
やはり大手3社のひとつで集英社の50%の株式を保有する親会社である小学館の今年2月決算を見てみると:
売上高:977億4700万円(前年比0.7%増)
経常利益:55億7700万円(同26.8%増)
当期利益:39億2600万円(同11.6%増)
営業利益は非公表だが、売上高は3期連続の増収である。
出版不況などという言葉は、この大手3社に関しては、全く当てはまらないのだ。
講談社では、『進撃の巨人』のロングヒットに加えて、デジタル関連収入が465億円(前年比39.2%増)、国内版権ビジネス81億円(同36.5%増)、海外版権ビジネスが66億円(同0.3%増)、不動産収入31億6000万円(同0.3%増)という内容だった。
集英社に関しては、『鬼滅の刃』の効果が大きい。マンガによるデジタルビジネスや版権(ライツ)ビジネスが不動産収入とともにその業績の下支えをしているのだ。
こうしたマンガコンテンツをもたず、不動産収入もほとんどなく、デジタル化が遅れた中小出版社にとっては、「出版不況」は相変わらず重くのしかかっているということなのだろう。光文社の巻き返しはなるのか、2017年発売の『君はどう生きるのか』のメガヒットで一息ついたと言われる同型の出版社であるマガジンハウスの動向とともに注視したい。