LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は9月20日、ルイ・ヴィトン財団(Fondation Louis Vuitton)が47人のロシア人とヨーロッパ人アーティストによる200以上の傑作をフィーチャーした「モロゾフ・コレクション展(The Morozov Collection)」を、パリで開催すると発表した。 2022年2月22日まで開催される同展覧会は、印象派と現代美術の世界最大のコレクションの1つであり、今回20世紀初頭の創設以来初めてロシア国外で展示される。
「モロゾフ・コレクション展」は、パリのピカソ美術館のキュレーターを務めていたアン・バルダッサリ(Anne Baldassari)がキュレーターを務め、ロシア・サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館と、モスクワのプーシキン美術館、トレチャコフ美術館の協力のもと開催される。
まず、入館後すぐに目に入るのは、彫刻家アンナ・ゴルブキナ(Anna Golubkina)による『波(The Wave [The Sea of Human Life])』だ。彫刻の象徴性とアールヌーボーの美学は、「シルバーエイジ」と呼ばれる1890年から1910年の間にモスクワのアートシーンに革命をもたらした動きを感じさせる。その後、マネ(Manet)、セザンヌ(Cézanne)、ゴーギャン(Gauguin)などに加え、ヴルーベリ(Vrubel)、マレーヴィッチ(Malevitch)、ラリオノフ(Larionov)などのロシアの前衛芸術家の主要な作品を展示する13のギャラリーが展開されていく。今回初めてエルミタージュの外にも作品が展示され、特別な舞台美術も加わり、ルイ・ヴィトン財団による「モロゾフ・コレクション展」だけでの見どころが満載の展覧会となっている。
展覧会の開幕を祝うために、9月20日・21日には、ヴァレリー・ゲルギエフ(Valery Gergiev)が指揮するサンクトペテルブルクのマリインスキー管弦楽団による特別コンサートが開催された。
LVMHグループは、2019年にサンクトペテルブルクで開催されたモロゾフ展の開催に尽力し、エルミタージュ美術館を支援した。さらに、永久コレクションの一部としてイヴァン・モロゾフの邸宅のミュージックサロンを再構成するエルミタージュの遺産プロジェクトへの支援にも貢献している。
公益に奉仕するという公約の一環として、ルイ・ヴィトン財団は2014年以来、芸術と文化への幅広いアクセスを確保するために取り組んできた。フランスおよび世界中で芸術的創造を促進するために、同財団は近現代美術の展示会の開催だけでなく、さまざまな学際的なイベントも主催している。