
松屋のシンクタンクとして1988年に開所した東京生活研究所が3月1日をもって閉鎖した。組織のスリム化によるもので、東京生活研究所がこれまで担ってきた役割はMD統括室に統合された。東京生活研究所は伊勢丹から松屋に移籍した山中鏆氏が発案し、松屋のマーチャンダイジングの指針となるディレクションやマーケティングを毎シーズン発信してきた。山中氏が松屋の副社長に就任した1976年の売り上げは600億円程度だったが、東京生活研究所が立ち上がった2年後には1000億円台にまで拡大し、同所はその伸長の一翼を担っていた。1995年にはイッセイミヤケの社長を務めた太田伸之氏が所長に就任したものの、2013年2月末に会社組織としては解散していた。また、百貨店のシンクタンクとしては、三越伊勢丹ホールディングスの子会社である三越伊勢丹研究所が3月末で事業終了し、同社を清算する。三越伊勢丹研究所は国内外のファッショントレンドや消費者のライフスタイルなどを調査・分析する機関で、ファッション業界屈指の研究所であった。