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Japan|なぜオフプライスストアに注目が集まるのか?

Mar 28, 2020.久米川一郎Tokyo, JP
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「&ブリッジ」西大宮店

コロナ・ショックに振り回された3月に、2店のオフプライスストアがオープンした。それぞれ本メディアで紹介されているが、3月7日にアンドブリッジが神奈川県相模原のニトリモール相模原に「&ブリッジ(&Bridge)」の2号店、ドン・キホーテが3月24日に愛知県丹羽郡大口町に「オフプラ」1号店がオープンした。アンドブリッジは第1号店の「西大宮」も予算(初年度目標3億円)の110%で推移して好調だという。ドン・キホーテは今夏には「オフプラ」2号店を渋谷の「MEGAドンキホーテ」内にオープン予定だという。

なぜオフプライスストアが急に注目を集めるようになったのだろうか。日本でブランドもののシーズン遅れ商品やB品(キズ物、縫製ムラ、染色ムラなどの商品)などは各ブランドによるアウトレット・ショップで売られていた。こうしたアウトレット・ショップが大規模なモールを形成するアウトレットモールが1990年代後半から活況を呈して来た。しかし巨大なアウトレットモールは飽和気味になりつつあり、小売業が主導
様々なブランドを集めたオフプライスストアを郊外展開することに勝機が感じられているようだ。

例えば、アンドブリッジが西大宮にオープンした「&ブリッジ」は、従来ワールドの自社アウトレットショップ「NEXTDOOR.COM」だった。「&ブリッジ」はイトキン、ストライプインターナショナルなどの日本の同業他社のブランドも揃えており、イタリアのデニムブランド「ガス(GAS)」などのインポート商品も扱っている。正価の30~50%でなんと言っても安さが売り。

ワールドは、2018年には古着ショップ「ラグタグ(RAGTAG)」を展開するティンパンアレイをサブスクリプション・サービスのオムニスを買収して二次流通に進出している。オフプライスストア「&ブリッジ」が手がけるのは「古着」ではなく、シーズン遅れやB品とは言え「新品」であるが、いずれにしても「サステイナブル」という昨今の大トレンドにはマッチしている。新品の正価(定価)販売にはすでに限界を感じて、こうした二次流通やオフプライスストアに果敢に挑戦しているようだ。

いずれこうした新ビジネスが従来の正価販売ビジネスを越える売り上げになっていくのであろう。またブランドものの主に雑貨のアウトレット商品をドン・キホーテ店内でも従来から販売していたドン・キホーテにとってはアパレルも含めたオフプライスストア「オフプラ」はファッションゾーンへの挑戦という意味合いがあるようだ。いずれにしても米国で起こっていることは遠からず日本で再現されるという不変の法則で言えば、米国の最大のオフプライスストアチェーンのTJXカンパニーズは年間4兆円を誇っているのである。

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