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表参道ヒルズの16周年リニューアルはどうなの?

Feb 4, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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表参道ヒルズが今春16周年を迎える。2月11日に国内初店舗や新業態の全16店舗を加えリニューアルオープンをするという。16周年なので16店舗なのか、それにしては区切りが悪いと思ったが、15周年の昨年はコロナ禍でそれどころではなかったのだろう。今年は昨年を大きく上回る感染者を連日記録しているにもかかわらずの16周年記念リニューアルである。もうテナントの入れ替えを待ってはいられないのだろう。しかし、連日東京で2万人近くの感染者が新たに確認されている現状ではオープン景気などというものは期待できないだろう。さらに「入場できる方は抽選で選ばせていただきます」というブランドがかなりある。関係者の苦労が偲ばれる。

その新規または新業態の16ブランドにしても、有名ブランドは少なく、このコロナ禍になんとか「ファッションの表参道」で知名度をアップしようと必死になっている無名・新進ブランドが多いようだ。表参道ヒルズのテナント料は一律ではない。無名・新進ブランドからはきちんととるが、集客効果がある有名・有力ブランドは格安というシステムになっている。格安でも有名・有力ブランドが集まらなくなっているのかもしれない。

しかし、この「ファッションの街」である表参道も昔から実はなかなかビジネスは厳しいので知られている。家賃ばかりが高くて(表参道に面している店舗ではもはや月坪15万円は当たり前)、その割に売り上げが上がらないのだ。なんとか利益が出ているのはほんの一握りのラグジュアリーブランドだけだ。そうした例にもれず、表参道ヒルズでもビジネスが成り立っているブランドはやはりほんの一握りだろう。特に、館の顔だった「ドルチェ&ガッバーナ」がオープン10周年の2016年に館を去って南青山の路面店に移転してからは、存在感が希薄になったと伝えられている。

表参道ヒルズが表参道ファッションの中心的存在を目指してオープンしたのは2006年。初年度こそ売上高は当初予想の150億円を上回る165億円を記録し年間来館者数も1000万人を超えたが、この初年度の壁を超えるのは容易ではなかったようだ。オープン後の2008年9月15日にはリーマン・ショック、2014年4月には消費税5%→8%アップ、2019年10月には2回目の消費税8%→10%アップがあって、2020年からはコロナ禍に見舞われ、これまでの16年間はまさに苦難の道だったのだ。

比較することに意味があるかどうかは分からないが、新宿の伊勢丹メンズ館は売り場面積9,900㎡で年商442億円(2018年)。片や表参道ヒルズは店舗面積2万4,400㎡でそのうち売り場面積は半分以下で伊勢丹メンズ館とは同程度。おそらく年商は200億〜220億円程度ではないのか(未公表で筆者推定)。安藤忠雄を起用したあまりにも斬新な建築やあまりにも贅沢な空間使いはあるにしても、この2館の倍以上の年商の差にはちょっと首をかしげてしまう。

少なくとも「ファッションの街」表参道の中心的な存在とはお世辞にも言えない。表参道ヒルズの対面には昨年3月に「エルメス」が路面店をオープンしてたいへんな話題になっている。「エルメス」は表参道ヒルズ入居には目もくれなかったようである。また表参道より南青山にファッションの中心は移りつつあるという声もあり、その活性化を表参道ヒルズに期待したいものだが、今回のリニューアルを見る限り、ちょっと不安を感じてしまうのだ。もっと抜本的なリニューアルが必要ではないのか。

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