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「3つの不況」で株価が8分の1になったオンワードHD

Jan 18, 2022.三浦彰tokyo, JP
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2021年12月26日をもって営業を終了した「KASHIYAMA DAIKANYAMA」

1月13日にオンワードホールディングスの2022年2月期第3四半期(2021年3月1日〜2021年11月30日)連結決算が発表になった。主要数字は以下の通り(カッコ内は前年比):

 ・売上高:1243億5500万円(−6.0%)
 ・営業利益:−9億4800万円(前年は−102億6200万円)
 ・経常利益:−7億5900万円(前年は−102億4500万円)
 ・親会社株主に帰属する四半期純利益:80億8200万円(前年は−145億9600万円)

不動産売却によって、第3四半期純利益は80億8200万円を確保しているが、営業利益、経常利益は赤字である。とはいえ、この第3四半期(2021年9月1日〜2021年11月30日)の3カ月間だけを捉えれば、営業利益は+23億4600万円で、経常利益は+19億300万円であり、年間ベースで100億円の営業利益という同社の通常ベースに戻りつつあると考えてよさそうではある。

ただし気になるのは、売上高が前年比−6.0%と回復していない点だが、第3四半期の3カ月間(9月、10月、11月)では9月前半がコロナ感染第5波のクライマックスで完全に秋ものの立ち上がりが吹っ飛んだことが大きそうだ。しかし第2四半期(3月1日〜8月31日)の売上高が−0.7%だったことを考えると、ちょっと物足りない。店舗のスクラップはいまだに続いているのではないだろうか。

通期(2021年3月1日〜2022年2月28日)での業績予想には変更がなく、
 ・売上高:1746億円(前年比−0.7%)
 ・営業利益:10億円(前年は−212億3000万円)
 ・経常利益:12億円(前年は−201億7400万円)
 ・親会社株主に帰属する四半期純利益:82億円(前年は−231億8100万円)

現在オミクロン株による感染第6波が凄まじい勢いで拡大しているが、どうも1月、2月はこの影響を受けそうで予断を許さない状況だが、とにかく2020年2月期、2021年2月期ともに大赤字決算を続けただけに、なんとか営業利益、経常利益の黒字化を達成したいところだろう。

今回オンワードホールディングスの以前の決算を調べていたら、そのピークは、同社がオンワード樫山時代の2007年2月期だった。売上高は実に3186億9000万円、営業利益253億3100万円、経常利益274億700万円、当期純利益114億3800万円という今からは考えられないような驚異的な数字だった。15年前で、リーマン・ショック(2008年9月15日)の1年半前だった。この後は通年の営業利益の水準が100億円→50億円とどんどん下がっていった。6年をかけてリーマン・ショック不況を脱け出したかに思われたが、次に2014年4月1日の消費税引き上げ(5%→8%)による消費税不況に見舞われて、再び低迷基調へ。そうこうしているうちに消費税は当初の予定から5年延期された後、2019年10月には8%から10%へ引き上げられた。2回に及ぶ消費税不況のダメージにより、オンワードホールディングスは店舗の大量閉店に踏み切った。2020年2月期の521億円の最終赤字はコロナの影響はほとんどない。そして今回のコロナ不況がやってきたわけだ。オンワードHDにとっては、まさに癌の難手術中に停電になったような事態である。全世界の約3000店舗の同社店舗のうち700店舗以上の閉店があった。その後不動産の売却、ジル・サンダー社売却などでなんとか最終利益を確保して配当を維持しているというのが現状だ。

2008年リーマン・ショック→2014年と2019年の消費税引き上げ不況→2020年からのコロナ禍不況とこの15年間はまさに苦難続きだった。この間、オンワードホールディングスの売り上げは3186億円→1746億円(今期末予想)とピークの54%、営業利益は253億円→10億円(今期末予想)とピークの3%まで減少した。株価を見てみると、2005年12月30日の市場最高値2320円(終値ベース)から現在の301円(1月18日前場終値)まで、実に12.9%、つまり8分の1になってしまった。

今後は2009年から始まった日本の人口減少の影響が本格化する。この難局に立ち向かうパワーを、今は無きレナウンとかつて覇を競った昭和の大スター企業に求めるのはすでに難しいのか。捲土重来を期待したいものではある。

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