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川久保玲の得意技「脱構築されたテーラード」と「真っ黒」な渡辺淳弥

Feb 14, 2023.三浦彰Tokyo,JP
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コム デ ギャルソン社の展示会を先週(2月9日)取材した。川久保玲によるメンズウェア2023-24秋冬「コム デ ギャルソン オム プリュス(Comme Des Garçons Homme Plus)」は1月20日にパリで行ったコレクションショーの主なスタイリングを展示していた。テーマは「Tailoring of the Avant-Garde」(テーラリングをアヴァンギャルドに)。「テーラード」というのは意外だろうが、川久保玲の「得意技」なのだ。ヨーロッパの衣服の基本形を徹底的に解体して再構築するという作業(脱構築)こそ、半世紀に及ぶ彼女の創作の原点なのかもしれない。それが一番表現しやすいのが「テーラード」なのだ。そして肥大化した「溜(こぶ)」や突出する「管(くだ)」による「異化」。全体におとなしい印象なのは。もうひとつの彼女の得意技である「切断」や「穴あけ」が見られないせいだろうか。ゲイリー・カード(Gary Card)とヴァレリアンヌ・ヴィノス(Valeriane Venance)によるヘッドピースがアクセントになっている。プリントはエドワード・ゴスによるもので、アルファベットらしき紋様だが判読を拒絶している。

渡辺淳弥による「ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)」の2023‐24秋冬も1月20日パリでコレクションショーが行われた。ドイツのインナーラウム社とのコラボ。インナーラウム社のモータースポーツに使われるプロテクターの部品などが組み合わされている。この他、「リーバイス(Levi’s)」「カリアー(Kaliaaer)」「ティンバーランド(Timberland)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「チャンピオン(Champion)」などとのコラボのオンパレードになっているのはいつもの通りだ。カラーは黒に統一されている。この「潔さ」が堪らない。トレンド会社の2023年カラー予測をのぞいてみると、ビバマゼンタ(カーマインレッド)とかルミナスイエローなんていうのが出てくるが、本当かね?トレンド会社というのも商売なので、「黒が今年のトレンドカラー」なんて発表をしたら仕事がなくなるのだろう。

ギャルソン社がアップしているYouTubeでこのショーを見ていると著作権の関係からか無音になっている。音楽は、コラボ相手のインナーラウム社がドイツ企業ということもあってか、ベートーヴェン(ピアノソナタ30番、ピアノソナタ第8番「悲愴」)、バッハ(平均律クラヴィア曲集第1巻第14番、同第2巻第23番、イギリス組曲第5番)が用いられている。演奏はすべてグレン・グールド(1932~1982)によるもの。まさに「黒」の演奏家である。クラシック音楽も好きだという渡辺淳弥による選曲だろう。音楽に聞き入ってしまうのが難点だ。

なお同社の青山店は現在一部が工事中だが、来月3月18日にリニューアルオープンする予定だ。二宮啓によって2012年にスタートしたブランド「ノワール・ケイニノミヤ(Noir Kei Ninomiya)」が新たに同店で販売されることになるのが、今回のリニューアルの最大のポイントだ。同店は同社の旗艦店として1989年にオープンし、1999年に最初のリニューアルを行っている。

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