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サカイオーベックスのMBO成立も村上F系投資会社はなぜか残留

Sep 10, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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サカイオーベックスの公式HPより

福井市に本拠を置く、染色・加工をメイン事業にする東証一部上場企業のサカイオーベックスのMBO(経営陣が参加する買収)のためのTOB(株式公開買い付け)が成立したと9月9日に発表があった。買い付けを予定していた567万5533株に対して478万5854株の応募があり、TOB成立の下限を上回り成立した。年内にも上場廃止になる。MBOしたのは、松木伸太郎現社長がその株式100%を保有するサカイ繊維(本社福井市)だ。TOBの買い取り価格は1株あたり3810円で9月9日の終値より5円高い。注目された従来の最大株主(所有比率8.33%)である村上ファンド系投資会社シティインデックスイレブンス(代表村上世彰、以下CIE)は今回売却せず引き続き株を保有し同社に対して経営改善のための提案を行う契約をサカイ繊維と結んだという。

サカイオーベックスは、今年2月にもMBOのために2850円(当時の株価に500円上乗せ)でTOBを行ったが、予定株数に到達せず失敗に終わっていた。今回はそれより1000円近い上乗せをしたTOB価格での成立だ。一般株主もCIEも快哉を叫んでいるのでは思いきや、CIEは残留。今後株式市場での購入や売却はできないから、CIEの保有株式の売却は直接取り引きになる。サカイオーベックスの今回のMBOは、「上場していては思い切った経営改革ができない」というのが表向きの理由だが、このCIEの買占めやCIEとのやり取りが煩わしかったからというのは十分理解できる。今後、CIEが売却しようというときは3810円が最低保証になるわけだし、損はない話だ。サカイオーベックスは経営改革の秘策があってCIEはそれを知っているのではないかと勘繰りたくもなる。単なる染色加工、テキスタイル販売以外に制御機器事業を行っており、松木社長の大胆な経営改革というのはこの制御機器事業ではないかと思われるがどうなのだろうか。

サカイオーベックスが8月12日に発表した第1四半期(4月1日〜6月30日)決算は:
売上高:58億400万円(前年比+8.1%)
営業利益:2億9100万円(同−17.2%)
経常利益:7億700万円(同+5.5%)
親会社株主に帰属する四半期純利益:4億2300万円(同+1.3%)

コロナ禍にあってはまずまずの業績といっていいだろう。今回のMBOで買い付けに要した資金は約182億円。超低金利の現在でなければとてもできない施策である。今回のMBOによって松木社長がどんな経営改革を進めるのか大いに注目されるのだ。

 

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