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しまむらが第1四半期で史上最高決算。株価も急騰中だが、この勢いは本物か?

Jul 1, 2021.三浦彰Tokyo, JP
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しまむらの新ブランド「セルケユス」

2月決算銘柄の第1四半期(3月1日~5月31日)の決算の発表が始まっている。その中で度肝を抜くような結果だったのが6月28日に発表のあったしまむらの第1四半期(2月21日~5月20日)だ。
・売上高 1425億3900万円(+33.2%)
・営業利益 130億1900万円(前年12億8100万円の赤字)
・経営利益 132億990万円(前年10億9200万円の赤字)
・親会社に帰属する四半期純利益 88億7500万円(前年12億2100万円の赤字)

前期決算発表時の今期第2四半期(半期)利益予想額は営業利益195億5400万円、経営利益198億2600万円、親会社に帰属する営業純利益130億9800万円だったから、第1四半期ですでにその7割ほど叩き出したことになる。このコロナ禍で売上高、利益ともに史上最高の第1四半期決算であるから、ちょっと驚くべき内容である。

この第1四半期決算を予想したように1週間前の6月21日終値9300円を底にして株価は急騰して7月1日の終値は前日の終値に比べて220円高の10880円と1万円台に入ってきた。1週間で10%以上の値上がりだ。

史上最高益を達成した背景には、店舗作業の効率化によって売上比(売上高に占める比率)で12.2%(前年15.8%、前々年12.8%)に抑えた人件費、デジタル販促の活用等で売上比2.1%(前年2.2%、前々年3.8%)まで削減した広告宣伝費が挙げられる。広告宣伝では昨年3本にすぎなかった動画広告が第1四半期だけで既に17本アップしている。またチラシ販促に関しては新聞折り込みとweb配信を半々に最適化した効果がでたという。加えて短期生産の活用、夏物の早期導入、レジ割引の削減などにより値下げと在庫を抑制した結果に半期利益率が大幅に改善している。

また2020年10月に自社ECサイトを開設したばかりのしまむらだが、品揃えとサービス拡充によって急ピッチ(2024年2月期に120億円が目標)で新しい取り組みを始めている。例えばオンライン試着室、AIタグによる接客、「miffy」や「シャンシャン」など入手困難商品の予約販売システムが注目される。ECの売れ筋はインフルエンサー企画、キャラクター、ラージサイズだったという。かなり予想を上回るペースで拡充しているようだ。

しまむらは2017年2月期、2018年2月期、2019年2月期と3年連続で減収減益決算を続けて、「しまむらも終わった」と言われていたが、コロナ禍の2020年2月期でV字型回復を見せて、業界を驚かせたが、まだ半信半疑の声が多かったが、今回の第1四半期決算で完全復活を印象付けた。臥薪嘗胆した復調だけに少なくとも2,3年は続く好調と見てよさそうだ。最近では、凋落の始まる2017年5月19日の終値15980円、あるいは2005年12月30日の1万6320円の史上最高値に向かって株価も上昇を見せるのではないだろうか。

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