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目指すはメンズ美容の文化づくり 資生堂「ウーノ」のBBクリームが異例の大ヒットで注目

Mar 24, 2020.高村 学Tokyo, JP
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「ウーノ」の林詩遥子アシスタントブランドマネジャー

資生堂の男性向けコスメブランド「ウーノ(UNO)」が異例の大ヒットで注目を集めている。2019年3月に発売したBBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター」が計画を大幅に上回る売れ行きで、累計販売個数は19年で38.4万個を超える勢いだ。「ウーノ」は、1992年に男性向けの整髪ジェルやムースのブランドとしてデビューし、これまでメンズ美容市場を牽引してきた。ここ数年、メンズ美容に参入するブランドが増え、市場も拡大しているが、「ウーノ」はパイオニア的な存在と言える。今年3月には、新たにBBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター(カバー)」とアイブロウ「ウーノ バランスクリエイター」を発売、男性の美容に対する意識をさらに刺激しそうだ。

「文化をつくっていきたい」、そう語るのは同ブランドで中心的役割を担う林詩遥子アシスタントブランドマネジャーだ。「昨年3月に発売したBBクリームが、驚異的な売れ方をしました。ここまで売れるとは想定していなかったのですが、色のついたクリームを男性が使うという文化が受け入れられたことを数字で実感しました。一部の意識の高い人だけの行為ではなく、歯磨きや洗顔と同じような習慣や文化をつくることを目指していきたい」と話す。

BBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター」は、訪日外国人からも人気が高く、中国でも今後販売予定だ。BBクリームの男性使用率は26%*と日本と比べて高く、韓国に続くメンズ美容大国である中国でも、「ウーノ」はスムーズに受け入れられるだろう。越境ECでもプロモーションを行い、力を入れて取り組んでいく。林氏が目指す美容文化が、アジアでも根付きはじめていきそうだ。

今年3月に発売した2つの新商品は、資生堂のヘアメイクアップアーティストが監修に関わり、製品開発した。BBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター(カバー)」は、従来製品よりカバー力を高め、毛穴やニキビ跡を始めとした男性の肌悩みをカバーする。赤いキーカラーも特徴的だ。アイブロウ「ウーノ バランスクリエイター」は、眉のバランスを整えることで印象を自在にデザインする、セルフプロデュース術に最適なアイテムだ。涙型の芯は、細くも太くも自在にかけるように設計されている。

今後、メンズ美容市場は国内外でさらに拡大していくとみられている。「ブランドとしてここからが大事だと思っています。市場が拡大していくなか、私たちがどこまで関与できるか。メイクには抵抗がある、あるいはメイクは女性がするものと思っている男性はまだ多くいらっしゃるので、そうしたギャップを埋めていきたい」と、林氏はメンズ美容の未来を見据えながら語る。30年近くにわたってメンズ美容市場を牽引してきた「ウーノ」が、今後さらにリーダーシップを発揮していくことを期待したい。

*資生堂調べ

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