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「ユニクロ」と「マルニ」のコラボであらためて注目された「ハナ・タジマ」とは?

Apr 26, 2022.三浦彰Tokyo, JP
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「ユニクロ」と「マルニ」のコラボ商品

依然として世の中、コラボ商品で一杯になっているが、そのコラボ商品大量販売の担い手として君臨しているのが「ユニクロ(UNIQLO)」である。DADAという服が好きな人のためのファッションブログを参照してその歴史を書き出して見た。

2009年のジル・サンダー(Jil Sander)とのコラボまでは比較的マイナーなデザイナーとのコラボが多かったが(2008年初登場のアレクサンダー・ワンの例外はあるが)、ジル・サンダー以降の初登場のブランドを挙げると、2011年には「アンダーカバー(UNDERCOVER)」、2012年「ビューティフルピープル(beautiful people)」、2014年「イネス・ド・ラ・フレサンジュ(INES DE LA FRESSANGE )」、「ヘルムート・ラング(Helmut Lang)」、2015年「ハナ・タジマ(Hana Tajima)」、「クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)」、「カトリーヌ・ロワトフェルド(CARINE ROITFELD)」、2016年「セオリー(Theory)」、2017年「JW アンダーソン(JW ANDERSON)」、2018年「マリメッコ(Marimekko)」、トーマス・マイヤー(Tomas Maier)、2019年「エンジニアド・ガーメント(ENGINEERED GARMENTS)」、2021年「マメ・クロゴウチ(Mame Kurogouchi)」、「ホワイト・マウンテニアリング(White Mountaineering)」。このうち売れ行き好調な商品については、初登場の後も連続してコラボが行われているようだ。その中には、自分の会社に資本参加までしてもらい、ファーストリテイリングのパリR&Dセンター所長になったクリストフ・ルメールのような人物までいる。マイナーな存在ではニューヨークを拠点に活躍する英国生まれのデザイナーのハナ・タジマが2015年AWから連続で2022年SSまで登場しているのが目をひく。

さて、今回新たに「ユニクロ」のコラボに名を刻むことになったのが、2022年AW初登場の「マルニ(MARNI)」である。「ユニクロ」がどういう理由でコラボの新しい相手として「マルニ」を選んだのかは分からない。1994年にコンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)が創立したブランドだが、「フェンディ(FENDI)」の毛皮製品を作っていた工場の社長夫人のコンスエロのラグジュアリーな感覚が注目されたブランドだったが、2016年に「ディーゼル(Diesel)」や「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」「ジル・サンダー」を擁するOTBグループに買収された。現在のクリエイティブ・ディレクターはフランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)であるが、コンスエロ時代の「マルニ」人気が現在日本市場で復活しているのだろうか。人気であったとしても、ストライプ・トートなどのバッグ類であって、今回の「ユニクロ」とのコラボ服の人気が沸騰するのかどうか注目である。売れたかどうかは、来シーズンもコラボラインナップに残っているかどうかで明らかになる。コラボ料目当てで「ユニクロ」とコラボするのはいいが、このコラボリストに次のシーズンも残れるのかどうかが人気のバロメーターになるので、コラボするのはブランドにとっては一種のリスクという面もある。

なおマイナーな存在だが、実に2015年AWから2022年SSまで連続で「ユニクロ」とコラボしている前述のハナ・タジマについて触れておこう。ハナ・タジマは日本にルーツを持ち英国で育ったファッションブロガー&デザイナーだ。17歳の時にイスラム教に改宗し、自分のブログでムスリム女性のためのファッションを発表するようになった。これに注目した「ユニクロ」は、彼女とコラボしてムスリム女性向けファッションを開発している。今後のイスラム圏でのビジネスを見据えた「ユニクロ」のムスリムファッションの担い手がハナ・タジマというわけだ。さすがに「ユニクロ」、なかなかの深謀遠慮である。

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