BUSINESS NEWS
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail

Japan|「ファッション」に代わる次代の主役は何か?

Jul 9, 2020.久米川一郎Tokyo, JP
VIEW13
  • share with weibo
  • share with LINE
  • share with mail

二次感染に怯え、ウィズ・コロナのニュースタンダードに寄り添いながらも、新しい時代を見据えた動きが台頭している。

そうした中で圧倒的とも言えるようなダイナミクスを見せているのが、スポーツ&アウトドア業界である。以下最近のニュースを追いながら、その動きを列挙してみる。

ルクアイーレ(ルクア大阪西館)6階に2020年秋をメドに「ルクア アウトドア フロム アルビ」という名称のアウトドアゾーンがオープンする。面積は470坪(約1560㎡)で店舗数は10店舗。登山、キャンプ、フライフィッシング、バックパッキング、トレッキング、スキーといった本格的なアウトドア商品から、街で着こなすアウトドアファッションまで、多彩なアウトドアシーンをカバーする。ブランドは「モンベル(mont-bell)」「スノーピーク(Snow Peak)」「フォックスファイヤー(Foxfire)」「エイアンドエフカントリー(A&F Country)」「キーン(KEEN)」「フェールラーベン(FJALLRAVEN)」「ピークパフォーマンス(PeakPerformance)」「ショッフェル(Schoffel)」の8ブランドに加え、80年以上の歴史を持つ日本初出店アウトドアブランド、ヘビーデューティーの関西初出店の焚き火ギアブランドの2ブランド(ブランド名未公表)も出店する。今回のアウトドアゾーンオープンは、大阪駅改良工事によって8月30日に営業終了するショッピングセンター「アウトドアのアルビ」を引き継いでいるが、アウトドア需要が大きなものになっているのを感じさせる(6月30日JR西日本SC開発発表)。

三菱地所・サイモンが運営している御殿場アウトレットでは、開業20周年を迎えたことを受け、約40店舗の大規模リニューアルを実施する。今夏から夏にかけて、アウトドアやゴルフブランドが集積する「スポーツ&アウトドアエリア」を新設する。「アークテリクス(ARC'TERYX)」「コロンビア・スポーツウェア(Columbia Sportswear)」「デサントアウトレットストアゴルフ(DESCENTE OUTLETSTORE GOLF)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」などがすでにオープンしている。そのほか、「ナイキ(NIKE)」は拡張オープンした(7月2日三菱地所・サイモンプレスリリース)。

世界最大のスポーツ用品チェーンストアである「デカトロン(DECATHLON)」(本社フランス)は、初の首都圏エリアへの出店として、イオン幕張1階に4月24日オープンした。2月26日の西宮店に次ぐ国内2号店で売り場面積は2500㎡だ。その後5月22日にはイオンモール幕張新都心がリニューアルオープンした。スポーツ館の1〜3階をカバーしているのは「スポーツオーソリティ(SPORTS AUTHORITY)」だ。特に1階のアウトドアフロアは、国内最大級の広さになっている。この2店以外にも、この海浜幕張駅周辺には2019年3月1日にはアウトドア専門店のWILD-1幕張店がオープンしており、「デカトロン」「スポーツオーソリティ」幕張新都心、「WILD-1」の3強がアウトドアでしのぎを削る展開になっている(7月7日繊研新聞)。

キャンプなどのアウトドアはここ数年どんな推移なのか見てみると、オートキャンプ人口は850万人(2018年)で、2010年から増加し続けている(日本オートキャンプ協会オートキャンプ白書2019より)。850万人は日本の総人口の7%である。しかしそのピークは同白書によれば1996年の1580万人だったというから現在のほぼ倍だった。現在は第2次キャンプブームだと言われているようだ。筆者は全くこのアウトドアやキャンプには縁がないので、現在の第2次ブームにも驚くばかりだが、従来のファミリーによる家族キャンプから「ソロキャンプ」「デュオキャンプ」というカテゴリーも生まれているらしい。私がさらに驚いたのは、楽天市場の上半期ヒット番付で、東の大関に「巣ごもりアウトドア」がランクインしていたことだ。自宅勤務・自宅自粛していた間でも室内にテントを作って、アウトドアの真似事をしていた人たちがかなりいたらしくて、楽天のショッピングサイトではハンモックが前年比207%、ガーデンパラソルが前年比186%をマークしていたというのだ。

コロナ感染がこのまま収束しなくても、野外キャンプは比較的危険が少ないから有望だという。やはり絞切り型の言い方だが、こうした自然と繋がったアウトドアや健康志向と結びついたスポーツとの関わりが、確実に市場を増やしていきそうである。いわゆる従来の「ファッション」というものが主役ではない時代がすでにやってきている。

READ MORE