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柳の下にもう一匹ドジョウはいるか?ワークマンの新機軸

Oct 18, 2020.久米川一郎Tokyo, JP
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最近のアパレル市場でもっとも元気な企業ということになると、作業服メーカーのワークマンということになるだろう。作業服メーカーもれっきとしたアパレル企業である。東京五輪で作業着需要が旺盛ということもあるが、ワークマンの好調は2018年9月にスタートした「ワークマンプラス」が大ブレークしたためだ。「ワークマンプラス」は、「ワークマン」の商品の中からカジュアルウェアやアウトドアウェアとしても着られる商品を集めて作った新業態で、「ユニクロ(UNIQLO)」を下回る低価格もあり、あっという間に消費者の注目を集め、2020年6月末の第1四半期の段階では「ワークマンプラス」は212店(全店舗は876店舗)を数えるまでに急成長した。この「ワークマンプラス」のおかげでコロナ禍にあっても増収増益基調が続くひとり勝ち状態が続いている。2020年3月期は売上高923億円(前年比37.8%増)、営業利益191億円(同41.7%増)、経常利益206億円(同40.1%増)という高水準で株価も今年7月には1万円を突破した。

そのワークマンが10月16日に横浜・桜木町に「#ワークマン女子」という新ブランドのショップをオープンした。場所は桜木町駅前の商業施設「コレットマーレ」内で売り場面積は452㎡と同社の店舗では最大。また、大都市圏の駅前立地は初めてだ。取り扱い商品はアウトドア、スポーツ、レイン用の機能性ウェアのみを扱い、女性向け製品を増やし、家族ペアルックのためにジュニア用の開発商品もある。取り扱い製品は全て「ワークマンプラス」の店でも購入できる。初年度売り上げ目標は4億5000万円。

店名に「#」が付いているのは、SNSとリアル店舗の情報連携を強めるためだという。当初は同店だけのコンセプトストアとの位置付けだったが、評判がいいので全国展開することになったという。従来の「ワークマンプラス」が男性客中心で女性客が入りづらいことから発想された「#ワークマン女子」だが、女性客40%、ユニセックス20%、男性客40%の品揃えで、男性向けは店の奥の方の配置になる。女性の購買を55%と予想している。今後10年で400店程度の新規出店を考えているという。

要するに「ワークマンプラス」の女性客サービスの一環としての「#ワークマン女子」ということだが、客さえ摑まえてしまえばカーゴパンツ、ジーンズ、パーカーなどのアイテムも売れるわけで夢は広がりそうだ。

そしてこの「#ワークマン女子」がいつ都心に進出してくることになるのか?さすがに銀座は無理にしても、新宿、池袋などは全く違和感がなさそうで、アパレル氷河期にひとり気を吐くワークマン旋風を都心で見てみたいものである。

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