20万人のフォロワーがいるということは、その1%である2000人が「御祝儀」として5万円を購入すれば1億円になるわけで、日本記録などと騒がなくとも、まあ上出来のインフルエンサービジネスとしてなくはない。
しかし、リアル店舗で考えれば、1日9200万円という数字はちょっと限界ではないのだろうか。まずレジが20台は必要になりそう。かなり昔だが1日8時間レジを打って1台1日500万円(1時間60万円)が限界ということを聞いたこがあるが、だとしたらリアル店舗で9200万円をカバーするのだったら、19台のレジスターと19人のレジ担当が最低でも要ることになる。それ以外にも売り場に10人やそこらのスタッフが要るだろう。もうそれだけで気が遠くなりそうである。当然1日9200万円売るにはそれだけの広さも必要になる。最低でも200坪の広さは要るだろう。これも銀座や青山などだったらその家賃を考えただけで気が遠くなる。
要するに、ECだからこの初日9200万円は可能だったことが分かる。「H&M」銀座店の2008年9月13日のオープン初日でも、「ユニクロ(UNIQLO)」の巨大旗艦店舗のオープンでも初日1億円はたぶんないと思う。私が知る限りでは表参道の「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」の路面店オープン(2002年)が初日1億円を記録していた。また昔は、リアル店舗では、オープン初日の100倍がその店舗のオープン後1年間の年商と言われていた。そのセオリーからすれば初日9200万円の「アニュアンス」は初年度92億円というとんでもない数字になるが、そんな馬鹿なことはないだろう(笑)。ドットワンの売り上げ目標は初月で2億円、年間で15億円という控え目なものだ。もうECの時代だというのが、つくづく実感できる「アニュアンス」のデビューだった。