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ファーストリテイリングがバングラデシュで難民女性を対象に自立支援プロジェクトを開始

Nov 11, 2022.大澤文tokyo, JP
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ファーストリテイリングは11月9日、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)と共に、バングラデシュのコックスバザールにある世界最大級の難民キャンプで、ロヒンギャ難民の女性を対象に自立支援プロジェクトを開始すると発表した。難民キャンプにおける衛生面の向上と生理教育の観点から、繰り返し洗って使える布ナプキンなどの縫製スキルトレーニングを実施する。第1弾として2023年3月末までの間に250人の女性を対象にトレーニングを行い、77万点の生理用品を生産。2025年までに1,000人に対するトレーニングを修了する予定だという。トレーニングの修了者が有償ボランティアとして継続して制作に携わることによって、キャンプ内での生理用品や他の生活必需品の充足を目指している。

 

UNHCRによると、現在94万人以上のロヒンギャ難民(2022年9月末時点)が、バングラデシュの難民キャンプでの避難生活を余儀なくされている。そして、キャンプにいる難民のほとんどが女性や子供である。スキルトレーニングに参加する女性の多くがバングラデシュに避難する途中で夫を亡くし、一人で家族を支えて行かなければいけない状況に立たされている。彼女たちが、同じ境遇の仲間達と安全に語り合える場を提供することも今回のプロジェクトの目的の一つである。プロジェクトを通して横の繋がりやシスターフッド的な効果が期待できるという。さらに、有償ボランティアとしてガイドラインに則った賃金の支給をすることで、就労に規制のある中で収入を得ることができ、女性たちが直面する困難の低減に繋がることも期待される。

 

ファーストリテイリングの柳井正社長は、「ファーストリテイリングは、15年以上にわたるUNHCRとのパートナーシップにより、包括的な難民支援活動を行ってきました。今回発表するバングラデシュにおける自立支援プロジェクトを通して、より多くの難民の日常生活の質の向上、経済的な自立や各地域で安定した暮らしを手に入れるための一助になることを目指します。より一層民間の企業や個人の力を集結し、UNHCRとともに平和な社会をつくっていきたいと考えています」とコメント。

UNHCRのフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「ファーストリテイリングのバングラデシュにおけるUNHCRとの最新の取り組みは、難民に対する長年の献身とコミットメントをあらためて示しています。この共同プロジェクトを通じて、ロヒンギャ難民の女性たちは、家族やコミュニティを支える機会を得て、彼女たちに力を与えるとともに、すべての人にとってより安全なキャンプの環境づくりに貢献できるのです。世界中のより多くの個人や企業が、ファーストリテイリングと共に、避難を余儀なくされた人々への継続的な支援に加わってくれることを願っています」とコメントしている。

 

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