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花王とアイスタイルが顔の皮脂RNAと化粧品をマッチングさせる仕組みの開発をスタート 自分の肌にあった化粧品を見つける一助に

Mar 9, 2022.セブツー編集部Tokyo, JP
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花王とアイスタイルが、花王開発の皮脂RNAモニタリング技術を応用し、RNA肌型から、自分に合った化粧品を効率的に選択できる仕組みを開発する共同取り組みを今春から開始する。

RNAとは、DNAの情報に基づき、酵素やホルモンなど体内で様々な働きをするタンパク質を生み出すもととなる分子である。DNAは人それぞれの生まれつきの特徴を生み出し、その人固有のものとして一生変化しない一方で、RNAは組織ごとにプロファイルや合成される量が異なり、体調や環境によって日々変化する性質がある。人の肌を分析するに当たっては、DNAは生まれながらに持つ「肌の性質」をとらえる事に有用で、RNAは環境によって日々変化する「肌の状態」を知る事に有用であると言える。

花王は、あぶら取りフィルムで採取した顔の皮脂から皮脂RNAを抽出して、網羅的に解析する皮脂RNAモニタリング技術を開発し、ここで得られる約数千種の皮脂RNAの情報から、似たRNA特徴を持つ肌をグルーピングし、いくつかのタイプに分ける(RNA肌型)という検討を行なってきた。この技術を活用する事で、目には見えないような肌状態までをも把握する事を目指してきたのだ。

今回の共同取り組みにおいては、上記の花王の技術と、アイスタイルが運営する化粧品口コミサイト「アットコスメ(@cosme)」のデータを融合する事で、個々の肌状態と多様な化粧品をロジカルにマッチングさせる仕組みを完成させる事を目指す。具体的には、今年春から「アットコスメ」で承諾を得られた会員の皮脂RNAの収集を開始。そして、得られた皮脂RNAをRNA肌型で人をグルーピングし、過去に投稿された化粧品クチコミ評価と掛け合わせ、RNA肌型と化粧品の好みとの関連性が検討される。約2年後となる2023年末までに、最大1万人規模での検証を行ない、データベースを構築する事が目標だ。

RNA肌型と化粧品のマッチングシステムが完成すれば、その時々の自分の肌に合う化粧品をより効率的に見つける一助となる。更に、将来的には、需給バランスのアンマッチなどによる商品廃棄という化粧品業界の課題解決をも目指す。顧客満足度を高めると同時に、環境問題にも着手できるというわけだ。

アイスタイル社長兼CEOの吉松徹郎氏は、「花王さまと共に取り組むことで、生活者と美容プロダクトとのより良い出会い方を提供し、業界の活性に貢献することを目指してまいります」とコメントしている。

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